高機能素材や技術・知見を駆使、被害を最小限に
帝人はこのほど、同社グループが扱う災害時の安全確保に貢献する製品・サービスをメディア向けに紹介した。
近年、地震や豪雨などの大規模災害が発生しており、被害を最小限に抑えるための資材や、災害時に必要となる製品が求められている。こうした中、同社グループでは、中期経営計画の重点領域に「安心・安全・防災ソリューション」を掲げ、高機能素材や技術、知見を駆使し、安全な社会の構築に貢献していく考えだ。
地震対策では、
2021年3月5日
2021年3月4日
[帝人・人事](4月1日)▽取締役園部芳久▽代表取締役常務執行役員CFO、経理・財務管掌鍋島昭久▽CSR管掌兼経営監査部担当、取締役常務執行役員小山俊也▽同役員、経営企画管掌小川英次▽解兼帝人ファーマ営業本部長、帝人グループ常務執行役員ヘルスケア事業統轄補佐(帝人ファーマ担当)兼帝人ファーマ社長渡辺一郎▽帝人グループ常務執行役員ヘルスケア事業統轄、ヘルスケア新事業部門長森山直彦▽帝人グループ常務執行役員マテリアル事業統轄内川哲茂▽複合成形材料事業本部長、帝人グループ執行役員コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス・ホールディングス社長兼コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス社長スティーブ・ルーニー▽帝人グループ執行役員マテリアル技術本部長トン・デ・ワイヤー▽帝人グループ執行役員法務・知財管掌、知的財産部長内山昭彦▽同グループ同役員エンジニアリング管掌兼CSR管掌補佐(防災担当)兼事業所活用担当役員兼岩国事業所、松山事業所担当兼ポリエステル業務班担当役員青柳晃夫▽同グループ同役員帝人ファーマ営業本部長田中正人▽同グループ同役員CFO、経理・財務管掌補佐兼経理部長北浜淳二▽同グループ理事マテリアル事業統轄補佐(インテリジェンス担当)堀江裕▽技監梅谷博之▽同グループ駐欧州総代表兼テイジン・ホールディングス・ヨーロッパ社長井田智英▽同グループ駐中国総代表兼帝人(中国)投資有限公司総経理兼北京駐在員事務所長山本学▽法務部長小寺毅▽マテリアル事業戦略企画部門長山浦徹▽出向帝人ヘルスケア(社長)藤川佳久▽退任(帝人グループ専務執行役員CSR管掌兼経営監査部担当)早川泰宏▽同(同グループ常務執行役員エンジニアリング管掌兼CSR管掌補佐(防災担当)兼事業所活用担当役員兼岩国事業所、松山事業所担当兼ポリエステル業務班担当役員)間狩泰三▽同(同グループ理事中国総代表兼帝人(中国)投資有限公司総経理兼北京駐在員事務所長)宮脇剛▽同(同グループ理事法務部長)西谷信之▽同(技監)室岡博文※グループ会社の取締役就任に関する人事については、当該グループ会社の株主総会および取締役会の決議を経て発効する(6月23日)▽取締役常務執行役員、ヘルスケア事業統轄兼ヘルスケア新事業部門長森山直彦(4月1日異動後)▽取締役常務執行役員、マテリアル事業統轄内川哲茂(4月1日異動後)▽退任(取締役)園部芳久(4月1日異動後)※帝人の取締役就任に関する人事については、6月23日開催予定の定時株主総会およびその後の取締役会の決議を経て発効する。
2021年3月4日
帝人は3日、グループ会社であるオランダのテイジン・アラミドが、ライフサイクルアセスメント(LCA)の評価資料として、パラ系アラミド「トワロン」の持続可能性に関する情報を開示するエコデータシート(英文)を作成・公表すると発表した。
アラミドはその特性から、幅広い用途での軽量化や高耐久化、省資源・省エネルギー化などに貢献している高機能素材。その中核を担うテイジン・アラミドは、帝人グループの企業理念である「QOLの向上」に資するため、環境配慮や経済価値について顧客利益の向上に向けた取り組みを強化している。
それを体現する施策として、20年以上にわたり使用済みとなったアラミド製品のリサイクルを推進しているほか、「トワロン」の使用による環境への影響を定量化することができる独自の換算システムも導入。2019年度には、「トワロン」を使用したタイヤやコンベアベルトが21万5千t以上のCO2排出の低減に貢献することを算出した。
今回作成・公表するエコデータシートには、生産工程のCO2排出量や、リサイクル性、国際規格に基づく化学物質や環境に関する規制対応などについての情報が記載されている。テイジン・アラミドは、このエコデータシートで自社製品の持続可能性を開示することにより、企業の社会的責任を果たすとともに、SDGsの実現に向けた取り組みを一層加速していく。
2021年3月3日
帝人は2日、AEV社(オーストラリア)と共同で、ポリカーボネート(PC)樹脂製の近未来モビリティ向けソーラールーフを開発したと発表した。
近未来のモビリティ像としてCASEやMaaSが示される中、世界各国で自動車の電動化や自動運転化に向けた技術開発が進む。また、世界的な指標として、エネルギー効率を総合的に評価する「ウェル・トゥ・ホイール ゼロエミッション」が掲げられるなど、自動車社会にはさらに大きな変化の到来が予測されている。
こうした中、両社は、将来のEVに求められる技術基盤を獲得・整備するため、2019年よりLS-EV(低速EV)の共同開発を推進。最近の成果として、用途に合わせた車体を搭載して自動走行が可能な多目的プラットフォーム「ブランク・ロボット」を開発した。
今回開発したLS-EV向けソーラールーフは、帝人のPC樹脂「パンライト」グレージングを表層に使い太陽電池を搭載。帝人が長年培ってきたグレージングの知見を駆使し、ガラスでは難しい車体ルーフに適した曲面形状を一体成形することで強度や剛性を実現した。また、PC樹脂の課題であるは耐候性についても、帝人独自のハードコート技術を活用することで自動車に要求される10年相当の耐久性を実現した。
一方、ソーラ―ルーフに搭載した太陽電池セルの出力は、豪州でのテストで一般的なソーラーパネルと同等の約330Wを記録。さらに、両社はソーラールーフのエネルギー効率を実証するため、一般車両向けLS-EVを想定した10kWhのバッテリー搭載のプロトタイプ車体を製作。「ブランク・ロボット」に装填して試験を行ったところ、走行距離が30~55Km(最大約30%)伸びることが確認された。
両社は今後、各部品に帝人の素材や技術を活用した量産向け軽量LS-EVについて、2022年後半の実用化を目指し、ソーラールーフの技術向上を図りながら、「ウェル・トゥ・ホイール ゼロエミッション」の実現に向けた取り組みを進めていく。
帝人は、AEV社との取り組みを一層強化していくことにより、近未来のモビリティへのニーズを先取りし、自社の高機能素材や設計、デザイン、複合化技術による技術提案力を強化していく考えだ。
2021年2月24日
帝人はこのほど、気候変動イニシアティブ(JCI)が求める再生可能エネルギー比率の引き上げを求める声明に賛同した。JCIのメンバー企業である同社は、長期ビジョンに「未来の社会を変える会社」になることを掲げており、持続可能な社会実現への貢献を目指す企業として、同声明に賛同した。
同声明は、日本での2030年までの再エネ電力の導入目標を現在の22~24%から、今年策定される次期エネルギー基本計画の中で、欧米諸国に近い水準である40~50%にまで引き上げることを国に求めるもの。意欲的な目標とすることで、脱炭素化が進む世界のビジネスの中にあって日本企業がより大きな役割を果たし、気候危機回避に向けた挑戦に一層積極的に貢献することを提唱している。
同社グループは、環境負荷低減の長期目標として、CO2排出量を2050年までに実質ゼロとすることを掲げており、その取り組みを通じて再エネ電力の導入を推進していくことにしている。
2021年2月18日
帝人は17日、同社グループで複合材料製品の生産・販売・技術開発を手がけるチェコのベネット・オートモーティブ社が、ミロヴィツェ工場に、生産性、外観性、寸法・品質安定性に優れる「GF-SMC(ガラス繊維シート・モールディング・コンパウンド)」の成形設備を新設すると発表した。投資金額は約1000万ユーロ(約10億円)で、2022年秋の稼働を予定している。
帝人は米国CSP社を買収したのをはじめ、ポルトガルのイナパル社、ベネット・オートモーティブ社を買収。自動車向け複合成形材料事業の拠点を構築し、グローバルティア1サプライヤーとして、自動車メーカーからの要求特性に対応すべく、環境負荷低減に向けた取り組みを進めてきた。
その間、CSP社のフランスの研究開発拠点にGF-SMC基材工場、イナパル社にはCF‐RTM(炭素繊維レジン・トランスファー・モールディング)の成形設備を新設するなど機能の充実を推進。また、ドイツにはテイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパを設立し、次世代自動車に向けたマルチマテリアルでのソリューション提案力の強化を図っている。
こうした中、ベネット・オートモーティブ社は、ドイツなどの有力自動車メーカーが生産拠点を構える中東欧の中心部に位置するチェコに主要拠点を構え、炭素繊維複合材料(CFRP)の成形技術や自動車部品の塗装や組み立ての設備などにより、ティア1として自動車メーカーに部品を供給。今回のGF-SMC成形設備の新設は、欧州における自動車向け複合成形材料事業の拡大を図り、軽量性や強度をはじめ、デザイン、生産性、コスト効率向上といった顧客ニーズへの対応力強化を目指すもので、すでに欧米の自動車メーカーから新たな受注を獲得している。
帝人グループは、マルチマテリアルでのティア1サプライヤーとして、使用材料の拡充から部品設計にまで踏み込んだソリューション提案力の強化や、グローバルでの安定供給体制の確立を進めていく。そして、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上を20億ドル規模へと拡大していく考えだ。
2021年2月10日
帝人は9日、パリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「SBT(サイエンス・ベースド・ターゲット)」を認定する機関「SBTi(SBTイニシアチブ)」に対して、コミットメントレターを提出し、2年以内にSBTの認定取得を目指すことを表明したと発表した。
SBTiは、企業が掲げる温室効果ガスの長期的な削減目標が、パリ協定の「地球の気温上昇を産業革命前と比べて2℃未満に抑える」という目標の達成に必要な水準を満たす場合に、「科学的に整合している目標(SBT)」であると認定する。
帝人は、中計での環境負荷低減の長期目標として、CO2排出量を2030年度までに2018年度比で20%削減、2050年度までに実質ゼロの達成を掲げる。こうした中で今回は、SBTiの認定基準による「2℃を十分に下回る目標水準(WB2℃)」以上の高い目標として認定されることを目指す。
2021年2月9日
帝人は8日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比6%減の6097億円、営業利益6%減の452億円、経常利益10%減の429億円、純利益11%減の268億円となった。電話会見で園部芳久代表取締役専務執行役員CFOは「売上高はコロナ下で医療用防護具の供給拡大による売上貢献があった一方、マテリアル事業での自動車・航空機用途の需要減、 “帝人の4-12月期 自動車を中心に回復傾向が継続” の続きを読む
2021年2月3日
帝人は2日、豪州Applied EV(AEV社)と共同で、自動運転への対応が可能な多目的プラットフォーム「Blanc Robot(ブランク・ロボット)」を開発したと発表した。
近未来のモビリティ像として「CASE」や「MaaS」が示される中、エネルギー効率を総合的に評価するための世界共通の概念として「Well to Wheel」(油田からタイヤまで)が掲げられるなど、過去に類を見ない大きな変革期が自動車社会に訪れようとしている。
こうした中、両社は、近未来の社会が求めるゼロ・エミッション・ビークルを実現し、多岐にわたる用途で活用に資する技術基盤を構築するため、2019年より共同開発をスタート。今回開発した「ブランク・ロボット」は、AEV社が培ってきたセンシング、コネクテッド(通信)などに関する最先端技術を、最適なレベルで組み込み、コンパクトに集約した多目的LS-EV(低速EV)向けのプラットフォームになる。
トップカバーには、帝人グループで軽量複合材料製品の生産・販売・技術開発を手掛けるCSP社のGF-SMCを使用しており、これまでのアルミ製トップカバーに比べ、約20%程度の軽量かつ約4㎡の広面積を実現した。CSP社独自のGF-SMC成形技術を活用したトップカバーは、金属では成形が困難な薄肉かつ複雑な形状を約3分で一体成形しており、これにより容易にシール性を確保できるため、限られたスペースに内蔵した自動走行に必要な機能を水や熱から保護できるほか、耐火性、寸法安定性、耐腐食性にも優れている。「ブランク・ロボット」は、バッテリー、モーター、ブレーキや、走行を管理する電子制御ユニットなどの機能が内蔵されており、用途に合わせた車体を搭載した自動走行を可能にした。
両社は、2022年後半にも「ブランク・ロボット」を使用したEVの実用化を目指す。運送・工業・医療・一般交通など幅広い用途での活用を想定し、「ブランク・ロボット」や車体設計、走行技術の向上を図っていく。
2021年2月2日
帝人は1日、英国の燃料電池メーカーであるインテリジェント・エナジー(IE社)との間で販売代理契約を締結し、日本での水素燃料電池の販売を開始すると発表した。
パリ協定の合意以降、各国でカーボンニュートラルの実現に向けた目標が宣言されるなど、脱炭素化に向けた動きが加速しており、日本政府も「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」旨の宣言を行った。こうした動きは、エネルギー分野についても加速しており、再生可能エネルギー発電や低炭素発電の開発などが注目されている。
一方、帝人は、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」やSDGsに賛同し、中期経営計画の中では「環境価値ソリューション」の提供や環境負荷低減に関する長期目標を掲げ、事業や諸活動を展開。このほど、水素燃料電池の利用を普及させることで持続可能な社会の実現に貢献できると考え、IE社と販売契約を締結した。
今回、販売を開始する水素燃料電池は、IE社が開発した出力が三種類(1.2kW、2.5kW、4.0kW)のもの。1台当たりの重量が10~20kgと軽量でコンパクト性に優れているため、様々な用途で発電装置に組み込むことができる。また、ディーゼルエンジンに比べて静粛性に優れ、メンテナンスがほとんど必要ないことから運用しやすく、さらに廃棄物が発生しないため土壌汚染の問題がない。
帝人は今後、すでにこの水素燃料電池の採用に向けて実証実験を行っている日本フイルコンをはじめ、情報通信業や建設業、製造業などに向けた販売を進め、2030年度までに売上高10億円の達成を目指す。