帝人など 大腸サポート関連企業、共同啓発事業体を設立

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2019年9月25日

 帝人は24日、武田コンシューマーヘルスケア、東亜薬品工業、森永乳業と「大腸活コンソーシアム」を同日設立したと発表した。

 同コンソーシアムは、大腸の腸内フローラ環境改善に寄与するビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌と水溶性食物繊維を扱う企業が中心となり、食品、医薬品の業界を越えて連携する共同啓発事業体。健康長寿の要となる大腸をより意識してケアする「大腸活」を通じて、日本人の健康長寿に貢献することを目指す。

 近年、大腸に生息する腸内フローラの研究が格段に進んだ結果、腸内フローラが消化器系領域だけでなく、神経領域、循環器領域、代謝領域、免疫機構など、われわれの全身の健康と密接に関わっており、大腸が健康長寿の要となっていることが明らかになってきている。

 一方、腸の健康をケアする「腸活」が社会に浸透しつつも、一般生活者へは、大腸の役割や重要性について、いまだ十分に理解が進んでいないというのが現状。同コンソーシアムは、大腸の重要性について広く啓発するとともに、大腸に棲むビフィズス菌・酪酸菌などの善玉菌と、そのエサとなる水溶性食物繊維の摂取により、〝1つの臓器〟といわれる腸内フローラの環境を改善する「大腸活」の啓発も広く推進していく。

 また、従来の整腸市場の枠に止まらない〝大腸活市場〟をターゲットとした、魅力的な商品・サービスを提供することにより、日本人の健康長寿に貢献することを目指す。

 さらには、コンソーシアム参画企業が連携をとりながら、社会に向けた「大腸活」に関する継続的な情報発信や、大腸活商品群の浸透を目指した店頭・流通施策の推進、自治体・地域と連携した啓発の場づくりなどに取り組んでいく予定だ。

 なお、1つの企業・団体による整腸や大腸サポートに関する啓発活動はこれまでも行われてきたが、大腸を健康長寿の要と位置づけ、業界を越えて、より多面的に社会啓発を行う今回のコンソーシアムとしての活動は、これからの時代の健康づくりを象徴する新たな取り組みとなる。

帝人 中国合弁会社がコンポジット技術でアワードを受賞

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2019年9月20日

 帝人は19日、同社グループの米国コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)の中国合弁であるCSP‐Victallが、自社開発によるコンポジット部品が高く評価され、「CCE‐JECイノベーションアワード」で新規用途部門を受賞したと発表した。

Yuhu5
Yuhu5

 CSPは軽量複合材料製品の開発・生産・販売を手掛けている。今回受賞したのは、CSP‐Victallが江鈴汽車のピックアップトラック「Yuhu3」と「Yuhu5」向けに開発した、中国初のコンポジット製ピックアップボックス(荷台)。

 CSP‐Victallが独自開発したSMC(熱硬化性樹脂を繊維に含浸させ、シート状にした成形材料)を使用することで、スチールを使用したピックアップボックスに比べ、約30%の軽量化を実現した。

 さらに、優れた耐腐食性や耐衝撃性、部材点数の削減により成形工程を大幅に短縮し、コスト効率を大幅に向上させたことが高く評価された。

 「CCE‐JECイノベーションアワード」は、世界最大の複合材料関連団体であるJECグループが、中国での優れたコンポジット技術を評価するもので、すでに15年の歴史がある。

 帝人グループは「自動車向け複合材料事業の展開」を発展戦略の一つとして掲げており、今後も複合化を強みとした技術開発に一層注力し、車体軽量化のソリューションプロバイダーとしてグローバルに事業を展開していく。

帝人 タイでコンパウンド工場とテクニカルセンターを稼働

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2019年9月11日

 帝人は10日、ASEAN地域における樹脂製品への多様なニーズに応えるため、テイジン・コーポレーション(タイランド)社の敷地内にアセアンコンパウンド工場とテクニカルセンターを新設し、稼働を開始したと発表した。

現地で開催したオープニングセレモニー
現地で開催したオープニングセレモニー

 ASEAN地域では、近年の人口増加や経済成長を背景に高機能樹脂製品の消費が拡大しており、これに伴い、樹脂コンパウンドの需要も高まっている。こうした中、同社は日本と中国の自社工場と、ASEAN地域の協力工場でこれらの需要に対応してきたが、今回の工場新設により、同地域の多様なニーズに迅速に対応できる体制が整ったことになる。

 また、同社は長年培ってきた樹脂コンパウンドの技術を駆使して樹脂製品の高付加価値化を推進しているが、新設したテクニカルセンターをASEAN地域の開発拠点と位置づけ、市場成長率の高い同地域や中国に向けた製品開発を強化することにより、さらなる事業拡大を図っていく。

 樹脂事業本部の山西昇本部長は「新設した生産・開発機能を駆使することにより、さらなる軽量化・高機能化が求められる次世代の自動車や通信用途において、ニーズに合致したコンパウンド樹脂製品の需要を取り込んでいく。また、ASEAN地域の顧客やパートナー企業と積極的に連携を図りながら、多様なニーズに応える革新的な製品を提供し、同地域の一層の発展に貢献していきたい」と述べている。

 同社の樹脂事業は、今回のタイでの生産・開発拠点の新設により、日本・中国とのアジア三極体制を構築し、今後、各拠点の相互連携を促進することで、自動車やエレクトロニクス分野を中心とした多様なグローバル需要に対応していく。

帝人 米州総代表が米国商務省投資諮問委員会の委員に選任

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2019年9月10日

 帝人はこのほど、ジェーン・トーマス同社グループ米州総代表兼米国持株・統括会社Teijin Holdings USA Inc.(THUS)社長が、米国商務省の投資諮問委員会(IAC)の委員に選任されたと発表した。

 IACは、海外から米国内への直接投資を誘致・維持するための戦略やプログラムを開発し、その実行について商務長官に助言する役割を担っており、各地域・州の経済開発機関、さまざまな産業、企業、協会などを代表する人物が委員として選任される。

 トーマス米州総代表兼THUS社長は、これまでに取り組んできた米国への新規投資に関する活動や経験を生かし、IAC委員としての2年間の任期中、同委員会の活動に積極的に関与していく。

帝人 繊維複合材料使い折りたたみ可能な構造体開発

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2019年9月6日

 帝人と帝人グループで先端的なコンポジット製品の設計、加工技術開発、試作を手掛けるジーエイチクラフトは、FRP(繊維複合材料)を用いて、折り紙のように折りたたむことができる構造体「ORIBAKO」(折箱)を開発した。

「ORIBAKO」のヒンジ部分(左上)と大型構造物の試作品
「ORIBAKO」のヒンジ部分(左上)と大型構造物の試作品

 「ORIBAKO」は、FRP製のパネルとヒンジ(ちょうつがい)を貼り合わせた多面体の構造物。FRP製であるため軽量で、運搬や設置場所での展開・設置・撤収、保管などを容易に行うことができる。

 そして、ヒンジ部分に柔らかい樹脂を使用したFRPを用い、伸縮性や曲げに対する優れた剛性、耐久性、密閉性を付与することにより、小さな箱物や簡易的な建造物など様々な大きさ・形状の構造体を折り紙のように簡単に折りたたみ、繰り返し使用することができる。

 また、帝人が長年培ってきた独自のFRP技術を駆使し、パネル部分とヒンジ部分とを一体化させて気密性を担保することで、段差のないシームレスな表面を実現。さらには、用途に合わせてパネルとヒンジに用いる素材の組み合わせを変えることにより、吸音性や断熱性、衝撃吸収性、振動吸収性といった特性を付与することも可能だ。

 両社は、6日までパシフィコ横浜で開催中の「SAMPE Japan 先端材料技術展 2019」で、「ORIBAKO」製の大型構造物の試作品を初展示。これは、CFRP(炭素繊維複合材料)製のパネルにGFRP(ガラス繊維複合材料)のヒンジを貼り合わせた約11?の簡易型ブースで、約40㎏と軽量であるため、重機や工具を使用することなく大人二人で簡単に設営することができる。

 両社は、今後、「ORIBAKO」の改良を重ね、使用する素材のバリエーションを拡充することにより、天井にソーラーパネルを搭載したエネルギーの自給が可能な簡易的な室内スペースや、密閉性が求められる物品などにも対応可能な輸送用のコンテナなどの幅広い用途に向け、2022年までに実用化を目指す。

 帝人グループは、多様化する社会のニーズに応えるため、今後も設計・デザイン・成形プロセスを開発することにより、高機能素材や複合化技術を強みとしたマルチマテリアルでの事業展開を強化し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していく。

帝人 チェコ社の買収完了、欧州で自動車向け事業強化

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2019年9月3日

 帝人は2日、7月に発表したチェコのベネット・オートモーティブ社の買収について、株式譲渡に関する諸手続きを完了し、8月30日(欧州時間)に完全子会社としたと発表した。

 帝人は自動車向け複合成形材料事業で欧州展開を進めている。ベネット・オートモーティブ社がこれまで培ってきた技術や販売実績を活用することで、欧州の自動車メーカーの部品供給パートナーとして、さらに展開を強化していく。

 また、かねてから強力に推進しているマルチマテリアル戦略でも、ベネット・オートモーティブ社と帝人・CSP社(2017年に買収した北米最大の自動車向け複合材料部品メーカー)・イナパル社(2018年に買収したポルトガルの自動車向け複合材料部品メーカー)の素材や成形技術、「人財」などを融合することで、軽量性や強度に加え、デザイン、生産性、コスト効率など幅広い顧客ニーズに応えるソリューション提供力を拡充する。

 こうした取り組みを重ね、帝人は2030年頃に、自動車向け複合材料製品事業で20億米ドル規模の売上を目指す。

 同社の中石昭夫・複合成形材料事業本部長は「当社とCSP社、イナパル社がこれまで北米・欧州・アジアの3極で培ってきた、軽くて強い高機能素材やデザイン、設計能力を駆使したマルチマテリアルでの提案力に、ベネット・オートモーティブ社の技術と販売チャネルを加え、ティア1サプライヤーとして自動車向け複合材料事業を一層拡大していく」と述べている。

帝人 暑熱順化トレーニング向けシステムを大阪市大と共同開発

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2019年8月30日

 帝人は夏場に消防活動をする消防隊員の熱中症を防ぐため、大阪市立大学と共同で暑熱順化トレーニング向けモニタリングシステムを共同開発した。

 29日に記者会見を行ったマテリアル事業部門スマート&セーフティ事業推進班の西川敏彦班長は「2020年度から国内消防向けにリースを開始し、25年度までに全国消防本部のうちの

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帝人 スーパー大麦と水溶性食物繊維使用のカレーを発売

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2019年8月22日

 帝人はこのほど、事業展開している機能性食品素材のマーケティング活動を加速するため、スーパー大麦「バーリーマックス」と水溶性食物繊維「イヌリア」を使用した新製品「食物繊維にこだわったスーパー大麦キーマカレー(イヌリン入り)」を開発し、販売を開始した。

 「バーリーマックス」は、βグルカンやフルクタンなどの水溶性食物繊維や、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)を豊富に含む非遺伝子組み換え大麦。帝人は、2015年にオーストラリアのヘルシー・グレイン社と、日本における「バーリーマックス」の独占共同開発契約を締結し、日本での臨床試験や素材特性を生かした製品開発などを行い、販売を拡大している。

 一方、「イヌリア」はオランダの食品素材メーカーであるセンサス社が製造するイヌリン。主にキク科の野菜であるチコリから作られた天然由来の水溶性食物繊維で、帝人は昨年、日本における独占販売契約を締結し、国内で「イヌリア」ブランドの製品開発や顧客開拓などマーケティング活動を展開している。

 今回、販売を開始する「スーパー大麦キーマカレー(イヌリン入り)」は、「バーリーマックス」と「イヌリア」の双方を配合した初めての製品で、1袋(1人前)に1日の摂取目標量である20g以上の食物繊維を含有。また、動物性原料を使用しておらず、肉の代わりに「バーリーマックス」を配合してヘルシーに仕上げた。

 帝人は、新製品の販売開始を契機として、機能性食品素材ビジネスの拡大に向けてマーケティング活動を強化していく。また、1人ひとりが生まれてから最後の日を迎えるまでの人生を支えることを目指し、今後も機能性食品素材の開発・販売に注力することで、世界中の人々のQOL向上に貢献していく考えだ。

帝人 フォードが新型車種の構造材にGF-SMC採用

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2019年8月21日

 帝人は20日、同社グループの米コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)のGF-SMC部材が、米フォード社の新車種に採用されたと発表した。GF-SMC部材とは熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ、シート状にした成形材料のこと。

 両社はGF‐SMC部材を使用して、世界初の二重壁構造のコンポジット製エンジンシュラウド(エンジンルーム内の部品を保護するための構造材)「デュアル・ウォール・ダッシュボード」を共同開発した。これにより、自動車の快適性の評価項目であるNVH(騒音・振動・ハーシュネス)を大幅に改善できる。

 「デュアル・ウォール・ダッシュボード」は、フォード社が今夏から北米で展開する「フォード・エクスプローラー」の2020年モデルに搭載される。

 「デュアル・ウォール・ダッシュボード」は、エンジン後部をカバーするとともに、エンジンルームの両サイドにあるストラットタワーまでを覆い、エンジンルームとフロントバルクヘッドの間に密閉性の高い空間を設ける。これにより、エンジンルーム内で発生する騒音を消散させ、NVHを大幅に改善する。

 こうした機能を備えつつ、従来のスチール素材では成形が困難な薄肉で複雑な形状を、わずか4点のGF-SMC成形部材で実現し、エンジンルーム内の限られた空間への収納を可能にした。また、12ポンド(約5.5kg)と軽量で、エンジンルーム内の電気部材の熱防護機能も持っている。「デュアル・ウォール・ダッシュボード」はCSP社のコノート工場(米国オハイオ州)で製造する。

 帝人はティア1サプライヤーとして、素材選定から部品設計にまで踏み込んだ提案力の強化や、グローバル安定供給体制の確立を図っている。さらに、2020年以降の環境規制強化に対応した車体の軽量化に向け、使用材料の拡充や他メーカーとの協業なども進め、マルチマテリアルでの部品供給メーカーとしてソリューション提案力を強化している。

 こうした取り組みにより、自動車向け複合材料製品事業の売上を、2030年頃に20億米ドル規模へと拡大する計画だ。

 

帝人 鈴木社長「10年後のイメージ見据え、変革を継続」

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2019年8月7日

 帝人は5日、都内で記者懇親会を開催し、関係者約150名が参加した。

帝人懇親会鈴木社長
鈴木社長

 あいさつに立った鈴木純社長は、「帝人グループは昨年6月に100周年を迎えた。次の100年に向けたメッセージ『FUTURE NAVIGATION』には、人を中心に化学を考える企業として、人があるべき未来への案内役を目指す、という意味を込めている」とし、100周年を機に立ち上げた「THINK HUMAN PROJECT」と、その集大成として開催した「THINK HUMAN EXHIBITION」を紹介。

 そして「今は空想・SFの世界であっても想像を続けることで現実になっていく。創造力こそが

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