日化協 廃プラのケミカルリサイクル、あるべき姿を策定

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2020年12月21日

 日本化学工業協会は18日、「廃プラスチックのケミカルリサイクル(CR)に対する化学産業のあるべき姿」を策定したと発表した。

 あらゆる資源の循環利用が求められる中、化学産業のGHG排出削減にも貢献する廃プラの循環利用の促進が喫緊の課題となっている。廃プラは貴重な国産資源であり、この有効活用は炭素循環をはじめとして温暖化対策の大きな手段になり、CRはそのカギとなるため、化学産業として循環型CR(モノマー化、ガス化、油化などによる化学原料)に取り組んでいく。

 具体的な目標値としては、廃プラ総排出量(2018年実績892万t)を2030年870万t、2050年に830万tに想定。CR処理量(2018年実績23万t)を2030年に150万t、2050年に250万tを目指すとした。またマテリアルリサイクル(MR)についても、政府のプラスチック資源循環戦略で掲げている、2030年までのプラ再生利用倍増を踏まえ、MR処理量(2018年実績208万t)を2030年300万t以上、2050年に350万t以上にすることを示している。

 これによりCO2排出のワンウェイ型から化学原料化の循環利用にシフトし、廃プラの海外輸出、単純焼却・埋め立てについては極力削減していく。また、あるべき姿実現には、規模確保:合理的&大規模高効率な収集体制、廃プラ収集データ構築、モノマテリアル化といった製品設計や、市場創出:循環製品の価値観醸成(ECOマーク、国際認証制度、LCA評価)、ビジネスモデル構築、が留意点であると指摘した。

 同協会としては、①CRの技術開発に向けたプログラム策定に産官学を挙げた取り組み、②日本の化学産業がもつ技術的強みを、国際展開するために国際的に通用する認証制度などの提案、③廃プラの安定供給量確保のための業界の枠を超えた協働体制の構築や法体制の見直しなどの提案、に着手していく考えだ。