旭化成 延岡のスパンボンド不織布製造工場、撤収を決定

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2020年5月18日

 旭化成は15日、スパンボンド不織布を製造する延岡エルタス工場(宮崎県延岡市)の撤収を決定したと発表した。

同工場は、2001年より製造を開始し、19年間にわたり、主におむつを中心とした衛生材料向けに国内顧客へ不織布製品を提供してきた。しかし、昨年9月に延岡市で発生した竜巻が工場を直撃し、甚大な被害を受けたため製造の停止を余儀なくされていた。

復旧に向け検討を重ねてきたが、復旧費用が大きいこと、設備の老朽化が進んでいること、また再開まで1年以上の期間を要することなどを勘案した結果、復旧を断念し工場を撤収することを決定した。販売活動については今年9月末までに終了し、従業員については、原則として他の既存事業に再配置することを予定している。

 同社は、中期経営計画において、経営資源の優先投入や再配分を進めることで事業ポートフォリオの転換を図り、サステナブルで高付加価値な事業体となることを目指している。同時に、グループビジョンにおいて、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を掲げており、ポリプロピレン・スパンボンド不織布の衛生材料事業は、グループの価値提供注力分野と定める「Life Material」のひとつ。

 今後、同事業については、旭化成スパンボンド(タイ)を中心にさらなる事業の拡大に努め、世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〟に貢献していく考えだ。