ちとせ バイオジェット燃料の技術開発がNEDO事業に

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2020年10月6日

 ちとせグループの中核企業であるちとせ研究所は5日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募したバイオジェット燃料生産関連の技術開発事業に、「微細藻類由来の純バイオジェット燃料の製造に向けた藻類の長期大規模培養技術の確立」を目指すテーマが採択されたと発表した。

 ちとせ研究所は、マレーシア・サラワク州の州立研究機関であるサラワク生物多様性センターや、サラワク州政府系の電力会社サラワク・エナジーらと共同で研究開発に取り組み、火力発電所の排気ガスを利用した藻類の長期大規模培養技術の確立を目指す。

 光合成により二酸化炭素を吸収する微細藻類由来バイオジェット燃料の普及に向けては、十分な供給量の確保と生産コスト削減の観点から、数千㏊規模での藻類の大量培養が必要になる。今回の実証事業では、事業化を目指す上で最小単位となる5㏊規模での実証を行っていく。

 日本と東南アジア全11社で活動するバイオベンチャー企業群のちとせグループは、これまで国内外の様々な環境下で、様々な藻類種、様々な藻類培養技術を応用し、多くの共同事業者と共に、複数の屋外実証プロジェクトを実施、その一部を商業化している。

 これらの知見を生かし今回、5㏊の新規大規模藻類培養設備を構築し、熱帯気候の屋外環境下での純バイオジェット燃料製造に最適な微細藻類を選定することで、同微細藻類種を含む複数の微細藻類種を使って火力発電所排気ガスを利用した大規模藻類培養の実証を行う。また、実証データを基にバイオジェット燃料の社会実装を見据えたTEA(技術経済分析)、LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施していく予定だ。

バイオジェット燃料普及に向け、火力発電所の排気ガスを利用した大規模藻類培養の実証を開始
バイオジェット燃料普及に向け、火力発電所の排気ガスを利用した大規模藻類培養の実証を開始

NEDO 海洋生分解性プラの社会実装に向けた技術開発

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2020年9月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業に着手すると発表した。同分解性の評価手法や新素材の開発により社会実装・市場拡大を進め、2030年には海洋生分解性プラスチックの国内市場年20万tを目指す。

 プラスチックは汎用される一方でほとんど分解せず、海洋プラごみによる海洋汚染が問題視され、海洋生分解性の新素材開発と海洋生分解性の簡便で信頼性の高い評価法が求められている。

 今回の「海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業」は今年度からの5年計画の予定で、今年度予算は3.45億円、採択テーマは次の2件だ。

 ①「海洋生分解性に係る評価手法の確立」(産業技術総合研究所、製品評価技術基盤機構、静岡県環境衛生科学研究所、東京大学、愛媛大学、島津テクノリサーチ)では、海洋生分解性プラスチックの分解メカニズムの解明、海洋生分解性の評価手法の確立、分解途中での水中汚染物質の吸着や樹脂添加剤の溶出など生態系への安全性の評価手法を開発する。

 ②「海洋生分解性プラスチックに関する新技術・新素材の開発」(日清紡ホールディングス)では、新規化学構造をもつ新素材や新規バイオ製造プロセス、複合化技術などの新技術による海洋生分解性プラスチックの開発を行う。