BASFジャパンはこのほど、日揮グローバルと共同開発したCO2回収技術「HiPACT(ハイパクト)」をINPEXの「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」に提供すると発表した。
国産天然ガスからの
2023年3月15日
2020年10月7日
宇部興産は6日、EUP(Ebara Ube Process)を活用した廃プラスチックのガス化ケミカルリサイクル(CR)に関して、共同ライセンサーである荏原環境プラントと共に、日揮グローバルとEUPのライセンス実施許諾権契約を締結したと発表した。
3社は2019年からEUPを通じた協業について検討を進めてきていた。昨今、世界的な社会課題となっている廃プラへの対応では、ガス化CRが注目されている。他の手法ではリサイクルが困難である異種素材や不純物を含むプラスチックを分子レベルまで分解し、アンモニアやメタノール、オレフィンなど、様々な化学品に再生し、プラスチックやゴム、化学繊維の原料として活用することができることから、廃プラリサイクル率の大幅な向上への貢献が期待されている。
宇部興産と荏原環境プラントが開発したEUPは、廃プラを酸素と蒸気により部分酸化することでガス化し、化学品合成に利用可能な合成ガスを製造するプロセス。2003年から昭和電工川崎事業所でEUPを採用したガス化設備(廃プラの年間処理量約7万t)が稼働しており、ガス化CR用途では世界で唯一の長期商業運転を継続している。宇部興産はこれまでも廃プラへ積極的に対応を行ってきたが、今回のライセンス契約を通じて、ライセンサーとしての立場から廃プラのガス化CRであるEUPの普及・促進を図るとともに、国内外での廃プラ対策に積極的に取り組んでいく。
宇部興産グループは、「UBEグループ環境ビジョン2050」を定め、自然と調和した企業活動の推進に取り組み、2050年までに温室効果ガス排出量の80%削減を目指している。また、中期経営計画の基本方針の1つとして「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げ、さらなる温室効果ガス排出量の削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大に取り組んでいく考えだ。
2020年7月29日
JFEスチールはこのほど、メタネーション技術による船舶のゼロ・エミッション燃料を目指す業界横断の取り組み「CCR研究会船舶カーボンリサイクル ワーキンググループ(WG)」に、エックス都市研究所、サノヤス造船、ジャパンマリンユナイテッド、商船三井、日揮グローバル、日本海事協会、日本製鉄、日立造船の計9社が参加し第1回会合を開催したと発表した。
気候変動の影響が顕在化する中、脱炭素社会への道筋の1つとして、CO2を回収・再利用するカーボンリサイクルが注目を集める。メタネーション技術によりCO2と水素から合成したメタンを、船舶用ゼロ・エミッション燃料へ活用する目的で、同WGを昨年8月にCCR(炭素回収再利用)研究会に設置した。日本の輸出入の99.6%を担う海上輸送からの温室効果ガス排出(エミッション)をゼロにし、持続可能な社会の実現を目指す。
国内の製鉄所から排出されたCO2を分離・回収・液化した後、再生可能エネルギー由来水素の供給地へ海上輸送し、その後メタネーションでメタンを合成、液化して舶用燃料とする、カーボンリサイクルのサプライチェーンを想定。CO2排出量を概算し、技術的課題を洗い出し、ロードマップの策定を行う。得られた知見は業界内外に公開する。
JFEスチールは製鉄プロセスのCO2排出量削減、排出CO2の分離・回収の技術開発に取り組んできた。原材料と製品の輸送のほとんどを船舶運搬に頼る鉄鋼業にとって、CO2排出量削減の意義は大きい。同社は、CO2排出量削減を通じて地球環境保護に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。
2020年7月16日
出光興産は15日、連名他社・大学と共同で進めてきた「廃コンクリートなど産業廃棄物中のカルシウム等を用いた加速炭酸塩化プロセスの研究開発」が、NEDOの「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/炭酸塩、コンクリート製品・コンクリート構造物へのCO2利用技術開発」プロジェクトにおいて、研究開発委託事業に採択されたと発表した。
出光興産と5者(宇部興産、日揮グローバル、日揮、成蹊大学、東北大学)は、産業廃棄物を活用し、火力発電所や工場から排出されるCO2を資源へ転換する技術開発を進めてきていた。同事業の委託期間は2020~2024年度の5年間。廃コンクリートなどカルシウムを多く含む産業廃棄物から原料となるカルシウムを抽出し、排ガス中のCO2と反応させて固定化させるプロセスの実用化と普及を目指した技術開発を行う。
また、カルシウム分の抽出と炭酸塩化の効率を高めるため、加速炭酸塩化技術について試験・評価を実施するとともに、プロセス全体の最適化を図りながら技術を確立させ、CO2削減効果を評価していく。
今回の事業採択を受け、発電所や工場から排出されるCO2の固定化に係る新たな技術を産学官の協働により開発するとともに、原料調達から用途開発に至るまでの幅広い領域で、社会実装に向けた取り組みを加速する。