日本ペイントホールディングスはこのほど、グループ会社で建築用塗料の日本ペイントが、可視光応答形光触媒を採用した水性塗料(試験用)の塗膜表面に接触した新型コロナウイルスの不活性効果を確認したと発表した。世界保健機関(WHO)の感染症調査機関の認定を受けたガーナ大学医学部附属野口記念医学研究所(ガーナ国アクラ)との共同研究の一環で実証実験を行った。
試験塗料を塗布した試験片とガラス片に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含むウイルス液を接種し、ペトリ皿のカバーの上から蛍光灯を照射。12時間後にウイルスを回収しRT-qPCR(逆転写定量ポリメラーゼ連鎖反応)測定で各試験片表面のウイルス濃度を求め、その比で残存率を算出した。ガラス表面に比べて塗膜表面のウイルス残存率が99%以上減少することを確認した。塗膜表面を機能化する技術として、活用が期待できる。
同社は塗料・コーティング技術を通じて、安心できる空間作りを提案するための研究開発を、引き続き進めていく考えだ。