旭硝子財団は10日、都内のホテルで第27回ブループラネット賞の表彰式典と祝賀パーティーを開催した。秋篠宮同妃両殿下が臨席されたほか、受賞者両国(オーストラリア、スウェーデン)の駐日大使館代表者など、国内外から関係者約300人が参列した。
同賞は、旭硝子財団が地球サミット開催を機に、1992年に創設。人類にとって深刻な地球環境問題の解決に顕著な業績を上げた人を表彰している。
石村和彦理事長(AGC会長)は「21世紀に入り地球環境問題の重要性は大きくなる一方だ。私は『私たちはこの星の持ち主ではなく、住まわせていただいているだけだ』と心に留める必要があると考えている。この星を安全で美しく素晴らしい星として次の世代に引き渡さなければならない」とし、「この賞が地球環境問題解決に少しでも貢献できれば、当財団にとってこれに比する喜びはない。受賞者の方々には地球環境問題解決に向けた大きな貢献に対し改めてお礼を申し上げるとともに、世界の研究者、技術者、専門家の方々にも感謝をささげたい」との思いを語った。
今年はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)名誉フェローのブライアン・ウォーカー教授(オーストリア)と、ストックホルム・レジリエンスセンター上級研究員のマリン・ファルケンマーク教授(スウェーデン)が選出され、石村理事長から賞状・トロフィーと副賞(賞金5000万円)が贈呈された。
秋篠宮殿下は「受賞者がご自身の理論を築き上げるとともに、長年にわたり卓越した行動力と強い信念によって国際社会に警鐘を鳴らし、今後の人々の活動の在り方に道筋を示してこられたことは、大変意義深いことであります。人類の英知を結集して持続可能な地球環境と、より良い人々の生活が実現されることを願っております」と、お言葉を述べられた。
続いて、来賓を代表し安倍晋三総理大臣の祝辞が代読され、各国駐日大使館の代表者が祝辞を述べた。受賞者のあいさつでは、ウォーカー教授が変動する環境下で社会が持続するには高いレジリエンス(復元力)が必要であると訴え、行政などと協力しながら行動に移すべきとした。ファンケルマーク教授は「Green /Blue Waterの概念」(地下水や河川の水だけでなく、土壌に染み込む水)などを紹介し、水問題の重要性を示した。