【国際化特集】昭和電工代表取締役社長 森川宏平氏

,

2021年3月29日

世界で戦える会社へ進化、7月の実質統合からの1年が重要

現在の事業環境をどう見ていますか。

  化学業界に関していえば、昨年のコロナ禍で落ち込んだ需要が、徐々に戻ってきていると認識している。エレクトロニクス分野では、リモートワークの拡大で5Gの導入が一気に加速し、半導体や関連製品は活況を呈している。仮にコロナが収束したとしても、このトレンドは続いていくだろう。

 これは当社にとってプラスに働いている面もある。その1つの例がハードディスク(HD)だ。データ生成量の増大に伴いデータセンターへの投資が拡大されたことに加え、これまでSSDへの切り替えが進み減少が続いていたモバイルPC向けも、新興国を中心に教育現場でのリモート授業で使用するためHDを搭載した安価なモバイルPCのニーズが高まり、減少スピードが鈍化した印象がある。

エレクトロニクス以外の分野はいかがですか。

 モビリティについては、自動車生産の回復に従い当社の製品も昨年秋から回復してきているが、先行き不透明感が漂っており、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【2020年 夏季特集】 トップインタビュー

, , , , , , ,

2020年8月10日

コロナ影響拡大で先行き不透明
戦略の見直しが課題、新常態でも成長戦略を模索

 わが国化学産業は、新型コロナウイルスの感染拡大により需要が低迷したこと、さらに原油価格の暴落により製品市況が悪化したことで深刻なダメージを受けている。経済活動の再開により下期からの回復が期待されているものの、先行き不透明感が強まっており、今年度は各社にとって正念場の年となりそうだ。

 対面業界では、明暗が分かれている。これまで市場をけん引してきた自動車産業は、生産台数が大幅に落ち込んでおり、回復までには時間を要するとの見方が強い。長期的にみればCASEなど新たな需要が期待されるものの、投資計画を見直す動きも出始めている。

 また各社がこれまでコスト重視で効率化を図ってきたサプライチェーンも、ロックダウンによって寸断された。近年では自国ファーストも進んでおり、今後は地産地消を含めた再構築を迫られそうだ。

 一方、テレワークが一気に整備されたように、5GやIoTといった半導体分野の需要が急速に拡大。また、コロナ禍で健康意識が高まったことを背景に、ヘルスケア分野への各企業の取り組みが加速している。ニューノーマル(新常態)においても、これらの分野は成長が期待されることから、今後、各社間の競争が激しくなりそうだ。

 今回の「夏季特集号」では、化学業界を代表する首脳の方々に、コロナ禍による現下の危機をいかに成長の機会に変換し生き残りを図っていくのか、その戦略と方針を聞いた。

─────────────────────────────────────────────   

信越化学工業 金川千尋会長/▽コロナ禍を成長の機会に、「谷深し」でも活路は必ずある

三菱ケミカル 和賀昌之社長/▽循環型経済の実現に向け、共同歩調で取り組み加速

旭化成  小堀秀毅社長/▽新常態の変化を事業機会と捉え、ヘルスケア領域を第3の柱に

三井化学 橋本修社長/ ▽新事業開発センターが始動、新体制で事業創出を加速

東ソー  山本寿宣社長/ ▽コロナ禍でも中計方針を徹底、ハイブリッドカンパニーを追求

昭和電工 森川宏平社長/▽顧客体験を最大化、統合で〝先端材料パートナー〟を目指す