昭和電工 「The Valuable 500」に加盟

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2020年9月10日

 昭和電工はこのほど、「The Valuable 500」の考え方と取り組みに賛同し加盟文書に署名した。

The Valuable 500署名
署名文書を持つ森川宏平社長

 「The Valuable 500」とは、2019年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した、障がい者インクルージョン推進の国際イニシアチブで、「インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えの下に立ち上げられた。

 障がい者がビジネス・社会・経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるように、ビジネスリーダーが自社のビジネスをインクルーシブにする改革を起こすことを目的としている。

The Valuable 500
The Valuable 500

 同社はこの考えと取り組みに賛同。「オンリーワンの個性を、チカラに変える。」を障がい者インクルージョン推進のスローガンに掲げた。また、この署名を機に、同社グループ内に、インクルーシブな職場づくりを目指すことに賛同する社員を500人以上募り活動を行う、「オンリーワンサポーター500」を展開する予定。将来的には障がい者支援グループコミュニティを構築することを目指す。

 同社グループは、持続可能な社会に貢献する企業となるために、「多様な人材が互いの個性・価値・アイデアを生かし合い、協働することにより、利益や新たな価値を創造し続ける力をもつ組織・個人になること」を目的に、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に今後とも積極的に取り組んでいく考えだ。

The Valuable 500 スローガン
The Valuable 500 スローガン

 

昭和電工 ケミカルリサイクル事業、産廃処分業の許可を取得

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2020年9月1日

 昭和電工は31日、産業廃棄物処分業の許可を7月1日付で取得し、破砕成形された状態のプラスチック産業廃棄物の受け入れを開始したと発表した。

KPRプラント外観
KPRプラント外観

 川崎事業所(神奈川県川崎市)では、2003年から容器包装リサイクル法に基づく使用済みプラスチック(容リプラ)を化学原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル事業」を行っている。受け入れた容リプラは高温でガス化して分子レベルまで分解し、水素(低炭素水素)とCO2へ転換。低炭素水素は主にアンモニアの原料に、CO2はドライアイスや炭酸飲料向けに使用している。

 同社は、ガス化によるケミカルリサイクル(CR)としては世界で唯一、長期にわたる商業運転の実績をもつ。昨今の海洋プラスチック問題など、廃プラの高度リサイクルに対する社会的ニーズが高まる中、今回の許可取得により安定的に廃プラを確保することが可能となり、原料ソースが多様化され、同事業を安定継続する体制が整った。

 日本で毎年排出される約900万tの廃プラのうち、再利用されるものは750万t(CR39万t、マテリアルリサイクル208t、エネルギー回収503万t)。未利用のまま焼却処分や埋め立て処分されるものが142万tある。CRは廃プラを原料に戻して再利用できるため、資源循環型社会実現のための重要な技術の1つとして注目されている。

 同社は、経済産業省からエコタウンとして認定されている川崎市と、低炭素水素社会の実現に向けた連携・協力に関する協定を2015年に締結。使用済みプラスチック由来の低炭素水素を活用した環境負荷の低い水素社会の実現を目指している。これまで、低炭素水素を川崎市内のホテルに設置した燃料電池や、燃料電池車用の水素ステーションに供給する実証実験を行っている。

 なお今回の取り組みは、環境省の「使用済みプラスチック由来低炭素水素を活用した地域循環型水素地産地消モデル実証事業」として受託・実施しているもの。

 同社は、事業活動を通じたSDGs課題解決への貢献を目指し、資源循環型社会を支える事業を積極的に推進している。今後も様々な製品・サービスの提供を通じ、豊かさと持続性が調和する社会の創造に貢献していく考えだ。

昭和電工 通期業績予想、利益項目は赤字を見込む

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2020年8月19日

森川社長「環境悪化への抵抗力を自助努力で向上」

 昭和電工は上期(1-6月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比31%減の3266億円、営業損失258億円(同1113億円減)となった。また、通期業績予想も、下期から日立化成を組み入れることで、売上高は前年度比6%増9600億円と増収になるが、営業損失300億円(同1508億円減)をはじめ各利益項目は赤字を見込む。

 オンラインによる決算説明会で森川宏平社長は、「鉄鋼生産縮小に伴う黒鉛電極事業の大幅減産やコロナ影響、ナフサ価格下落など特別要因に加え、日立化成統合関連の一時的な支出が重なり、上期決算と通期業績予想は厳しい内容だ」とし、

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昭和電工 買収費用および特損を計上、上期業績を下方修正

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2020年8月7日

 昭和電工は6日、日立化成買収関連の費用として216億円、黒鉛電極事業の生産能力適正化に関する特別損失47億円を計上すると発表した。

 買収費用の内訳は、営業費用が43億円、営業外費用173億円であり、借入金利息(12億円)以外は一時的な費用としている。また、特別損失については、稼働率が低下していたドイツの黒鉛電極工場で閉鎖の交渉が労使協議で合意に至ったことが背景にある。

 一方、前回5月発表時に未定に変更していた2020年12月期第2四半期(1-6月期)の連結業績予想を発表。売上高3266億円、営業損失258億円、経常損失432億円、純損失545億円を見込む。

 世界的に鉄鋼生産が減少したことで黒鉛電極は販売減少・市況下落となり、棚卸資産低価法による簿価切り下げで217億円を計上。石化製品は、ナフサ価格急落の影響で製品市況が下落し、受け払い差が悪化する。コロナ影響では、化学品セグメントやアルミニウムセグメントの製品の出荷減少が想定される。また、特別損失を計上することも損益を押し下げる要因となる。

 

昭和電工 アルミ缶事業、ベトナムの第3製造拠点が竣工

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2020年7月31日

 昭和電工は30日、連結子会社の昭和アルミニウム缶が、ベトナム南部のバリア・ブンタウ省で建設を進めていた新工場「バリア・ブンタウ工場」を完成させ、今月29日に竣工式を開催したと発表した。

バリア・ブンタウ工場
バリア・ブンタウ工場

 バリア・ブンタウ工場は、昭和アルミニウム缶のベトナム現地法人ハナキャン社の同国3番目となる生産拠点で、年産13億缶の缶体生産ラインをもつ。また、同工場建設とあわせてハノイ市近郊(バクニン省)のバクニン工場内では缶蓋生産能力の増強工事を進めている。

 昭和アルミニウム缶は、同社が保有する生産技術力と品質管理体制を2014年に子会社化したハナキャン社に導入し、ベトナム北部・中部を中心に販売を順調に拡大してきた。こうした中、今回のバリア・ブンタウ工場の完成により、ベトナム北部・中部・南部全てをカバーする3拠点体制を構築。生産能力は、3拠点合計で缶体は年産33億缶、缶蓋は同33億枚に拡大した。

竣工式の様子
竣工式の様子

 昭和電工グループは、個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をビジョン(目指す姿)として掲げている。今後、南北に長いベトナム全土にわたり、市場に迅速に対応できる体制をもつ強みを生かして顧客のカスタマーエクスペリエンス向上を通じて事業を拡大し、成長著しいベトナム市場で個性派事業の確立を目指していく。

ハナキャン社のベトナム工場
ハナキャン社のベトナム工場

 

昭和電工 高耐湿・高熱伝導の窒化アルミフィラーを開発

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2020年7月15日

 昭和電工は14日、半導体デバイスなどの放熱フィラー用の高耐湿・高熱伝導窒化アルミニウムフィラー(窒化アルミフィラー)を開発し、サンプル提供を開始したと発表した。

窒化アルミニウムフィラー
窒化アルミニウムフィラー

 半導体の高性能化によりデバイス内で発生する熱は増加しているが、デバイス自体の小型化、高集積化の進展により、発生した熱を外部に放熱することが難しくなっている。蓄積された熱は、デバイスそのものだけでなく、これらを組み込んだ電子機器の性能の低下や信頼性、安全性に影響を及ぼす恐れがあり、こうした熱による悪影響を避けるため、発生した熱をいかに素早く除去するかが非常に重要な課題となっている。

 窒化アルミニウムは高い絶縁性、シリコンと同程度の熱膨張係数、半導体製造時に使用される塩素系ガスに対する耐性といった優れた特性を持ち、アルミナや窒化ホウ素などの他のフィラー材料に比べて熱伝導率にも優れている。ただ、水分が付着すると加水分解を起こして腐食性のアンモニアが発生することが問題となっていた。

 こうした中、同社では、窒化アルミニウムの表面に独自の極薄膜による表面処理を行うことで高耐湿性・高熱伝導性のある窒化アルミフィラーの開発に成功。樹脂に充填したときの熱伝導率を低下させることなく、表面処理をしていない窒化アルミニウムに比べてアンモニアの発生を1万分の一に抑えることが可能となった。今後サンプル提供を通じて市場を開拓し、2023年から量産を開始する計画だ。

 同社グループは、個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をVision(目指す姿)として掲げている。5GやCASEの進展で今後も高い成長が見込まれる半導体デバイス市場に対し、最適なソリューションを提供し顧客の要望に応え、個性派事業の確立を目指す。

 

昭和電工 イソシアネートモノマーの応用が接着学会技術賞に

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2020年7月14日

 昭和電工は13日、日本接着学会より「2020年度第42回日本接着学会技術賞」を受賞したと発表した。同社の「イソシアネートモノマーと粘接着・塗料分野の応用」が、粘接着剤・塗料業界に対する樹脂のデザイン・機能の向上を実現し、業界に貢献したことが評価された。

 受賞対象であるイソシアネートモノマー「カレンズ」は、各種の物質と容易に結合するイソシアネート基と、共重合や光・熱硬化が可能なアクリル基を同一分子内に持つ同社独自の製品。ポリマーに添加・反応させると短時間かつ効率よく光硬化性を付与できる機能と、アクリル共重合体のモノマーに用いると低温でイソシアネート硬化を可能にする機能を備える。

 「カレンズ」は、粘接着用途では粘度上昇や副生物の生成なく簡便に合成でき、光硬化性も高いため近年のUV‐LED化に合致した製品開発が可能。また塗料分野では、簡便にイソシアネート基を樹脂構造中に挿入できるため、低温で硬化でき省エネルギー化に貢献できるほか、低温硬化型イソシアネートブロック体も合成できる。塗料の水系化・高機能化のトレンドにも合致し、機能性高分子分野のキーマテリアルとして幅広く採用されている。

 同社グループは、「個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)」を実現し、「世界トップレベルの機能性化学メーカー」となることを目標としている。今後も独特な化学構造と機能を持つ「カレンズ」シリーズの安定供給体制と提案力強化により、顧客の開発サポートを通じて事業を拡大し、個性派事業の確立を目指す考えだ。

 

昭和電工 アルミ缶のリサイクル、昨年度は443万缶回収

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2020年6月30日

 昭和電工は、同社グループや協力企業各社の従業員によるアルミ缶リサイクル活動を継続して実施しており、2019年度(2019年4月~2020年3月)は約443万缶、一缶15.3グラム換算で計約67.8tのアルミ缶を回収した。

2020年度アルミ缶リサイクル推進ポスター
2020年 アルミ缶リサイクル推進ポスター

 昭和電工グループのアルミ缶リサイクル活動は、子会社の昭和アルミニウム缶が1972年に開始し、2001年よりグループ全体に発展させた。従業員への広報・啓発活動のほか、回収量や参加率に応じ事業場や個人を表彰する社内表彰制度を設け、活動の活性化に努めている。昨年度の活動への参加人数は8057人、国内グループ従業員の活動への参加率は97.6%となった。回収されたアルミ缶は、同社グループが買い取り、昭和アルミニウムなどで飲料用アルミニウム缶の原料として使用される。

 アルミ缶リサイクルは資源を有効活用できるだけでなく、アルミ製造時の電力消費量を原料のボーキサイトから生産する場合に比べて約97%削減することが可能。また、この活動の収益金の一部は、地域の社会福祉協議会や福祉施設、障害者サークルなど様々な施設や団体へ寄付され、同社グループの社会貢献活動として定着している。

 同社グループは、事業活動を通じたSDGs課題解決への貢献を目指し、アルミ缶リサイクル活動のほか、使用済みプラスチックのアンモニア原料化や、鉄スクラップの再資源化に必須な黒鉛電極の製造など、資源循環型社会を支える事業を積極的に推進している。今後も製品・サービスの提供を通じ、豊かさと持続性が調和する社会の創造に貢献していく方針だ。

 

昭和電工 日立化成の商号を変更、昭和電工マテリアルズへ

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2020年6月24日

 昭和電工は23日、今年4月28日付で連結子会社化した日立化成の商号を「昭和電工マテリアルズ」に変更すると発表した。同日開催の定時株主総会において決議され、商号変更は10月1日を予定している。

 商号を変更した理由について、昭和電工は、「日立化成は当社グループとして新しいスタートを切ることになる。日立化成が有する、素材特性を生かした材料設計や機能評価・モジュール部品化を含むプロセス技術に至る機能設計力と、昭和電工グループの幅広い素材技術を融合していくことで、お客さまや社会に最適なソリューションを提案していきたいという想いを込めた」とコメントしている。

 

昭和電工 上海でVE・EMライン増設を完了、生産能力を2倍に拡張

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2020年6月16日

 昭和電工は15日、同社グループの中国法人・上海昭和高分子(SSHP)が、ビニルエステル樹脂(VE)と合成樹脂エマルジョン(EM)の生産ライン増設を完了し生産を開始したと発表した。中国での機能性樹脂事業の拡大を図るため、生産能力を約2倍に引き上げた。

 第5世代移動通信(5G)の進展など情報通信分野の発展による液晶ディスプレイやタッチパネルなどの電子材料市場の拡大に伴い、これらの部材の生産に使用されるVEの中国国内需要も急速に拡大している。さらに、VEは優れた耐食性と耐薬品性を持つことから、大気汚染防止のために導入が進んでいる火力発電所の排煙脱硫装置、電子材料工場の排水処理設備、ごみ処理設備や化学品貯蔵タンクなどの腐食防止内面ライニング用としても需要拡大が続いている。

 また中国では、環境保護強化の一環として2015年から始まったVOC(揮発性有機化合物)規制により、有機溶剤を使用した塗料や接着剤などの利用が厳しく制限されていることを背景に、水系の塗料や接着剤への切り替えが進み、それらに使用されるEMの需要も拡大している。こうした中、SSHPでは今回、VE・EM共に生産能力を約2倍に引き上げる増設工事を実施した。

 昭和電工グループは、収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体〝個性派企業〟を実現し、世界トップレベルの機能性化学メーカーになることを目標としている。今後も成長する中国市場に社会的価値の高い製品やサービスを提供して事業を拡大し、個性派事業の確立を目指す。

上海昭和高分子(SSHP)の外観
上海昭和高分子(SSHP)の外観