JNCは11日、新規開発の有機EL材料が、大手ディスプレイメーカーのスマートフォンに採用されたと発表した。同有機EL材料は、関西学院大学(兵庫県西宮市)の畠山琢次教授と共同開発したもの。
開発品は、これまでに使用されてきた材料系とは全く異なる青色発光材料で、新しい構造をもつ。この青色発光材料は、ホウ素原子を含むヘテロ環構造を主骨格とし、電圧をかけることで発生する光の波長の幅が、従来の材料に比べ狭いことを特長としている。これにより、発光したエネルギーロスを抑えることが可能となり、低消費電力化を実現する。
両者の共同研究は2011年から始まり、2016年には世界最高レベルの発光効率と色純度をもつ、有機ELディスプレイ用青色発光材料を開発するなど、数多くの有機EL材料を生み出している。
また、新しいタイプの有機EL素子に適用できる材料の開発も進めており、今後も高効率・長寿命特性をもつ製品を提供し、有機ELディスプレイの開発に貢献していく考えだ。なお、今回共同開発した有機EL材料は、熊本県にある同社水俣製造所での製造を計画している。