【化学企業 入社式訓示①】東ソー 山本寿宣社長

, ,

2019年4月2日

 皆さん入社おめでとう。先輩として、心から歓迎する。皆さんは本日から社会人として不安と希望がいっぱいであると思う。ただ、40年近くこの会社で働いてきた先輩として言えることは、社員一人ひとりを、明るい雰囲気で伸び伸びと働かせてくれる会社だということだ。これまで種々の事業や投資を手掛けてきたが、全て上手くいったわけではなく、幾多の試練を乗り越え今日に至っている。

 本年度から新中期経営計画が始まるが、これからも持続的に強く成長し続けるためには、全社員が今、何をすべきか考え、実行していくことが必要であり、それが私たちに与えられた使命であると思っている。今後もビジネスチャンスを的確に捉え、スピード感をもって果敢にチャレンジするとともに研究開発にもより一層、力を入れていこうと考えている。

 当社は昨年、CSR基本方針を制定した。社風である東ソースピリット(挑戦する意欲、冷たい状況認識、熱い対応、持続する意思、協力と感謝)を体現することで、それぞれの重要な課題を一緒になって解決してもらいたい。

 それらを踏まえて、入社式に当たり3つのことをお願いしておく。

 ①夢は大事に抱え続けてください:入社後にやりたいことや希望を皆さんは持っていると思う。今後、色々と経験して頂くことになるが、初心を忘れず、今、抱えている夢や希望の実現に向けて仕事に励んでほしい。

 ②その道のプロになってください:当社の事業は多岐に分かれているが、まずは職場に慣れてもらうと同時に知識・経験を積んでほしい。経験は人を育てる。全体感を捉えながら、社会に貢献できるよう、プロアクティブに行動できる人材になってほしいと思う。

 ③語学を勉強してください:グローバルと叫ばれて数十年と経つが、当社の製品の海外売上比率は4割を超え、今後も海外での事業拡充を計画している。海外展開における異文化コミュニケーションのツールとして、語学力の向上を目指してほしい。

 東ソーの将来を担うのは、皆さんだ。共に力を合わせて、東ソーの新しい時代を築き、働き甲斐のある会社にしていこう。

 

東ソー VOC対策に有効な捕捉剤「AC454」を開発

,

2019年3月7日

 東ソーは6日、自動車や住宅のVOC(揮発性有機化合物)対策に有効な捕捉剤「開発名:AC454」を開発したと発表した。

 近年、自動車内や住宅室内のVOC排出濃度等の規制が強化され、高性能なVOC捕捉剤のニーズが高まっている。しかしながら、従来のVOC捕捉剤は、ウレタンフォームなどから発生するアセトアルデヒドやアミン類の捕捉能が低い課題があった。

 同社が開発した「AC454」は、アセトアルデヒドやアミン類に対して、高い捕捉能を持ち、ウレタンフォームなどの部材に吹き付けることにより、部材から発生するアルデヒド類やアミン類を大幅に低減させる。さらに、同製品で処理した部材は、空間環境中のアルデヒド類やアミン類を捕捉する効果もあることが実証されている。

 特長としては、①高い捕捉能:空間中のアルデヒド類やアミン類を効率的に捕捉除去(濃度指針値対応可能)②高い安全性:開発品およびアルデヒド捕捉物は、急性毒性が低く、皮膚刺激性や変異原性および臭気がなく、安全性に優れた薬剤、の2つがある。用途としては、自動車内装材、建材、接着剤などが想定されている。

 なお、東京ビッグサイトで開催される「2019NEW環境展」(3月12~15日)において、同製品を含む同社の環境対応薬剤を出展する予定。

 

東ソー 「健康経営優良法人2019~ホワイト500~」に認定

,

2019年3月4日

 東ソーは1日、「健康経営優良法人2019~ホワイト500~」(大規模法人部門)に認定されたと発表した。「健康経営優良法人認定制度」とは、経済産業省が優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」し、社会的に評価ができる環境を整備することを目的とした顕彰制度。

 同社では、健康づくり委員会を中心として、従業員の心身の健康づくりをサポートするため、「体力づくり」「生活習慣の改善」「メンタルヘルス」を3本柱に、ウォーキング活動や食育・禁煙・適正飲酒をテーマとしたイベント、産業医や外部講師によるメンタルヘルス講習会など、さまざまな健康づくり活動を展開してきた。従業員の健康と職場環境の維持・向上は企業としての責務であり、健全な企業経営のためには必要不可欠なものという理念のもと、今後も従業員の自発的な健康づくりのために環境を整備し、その活動を積極的にサポートしていく。

 

東ソー 高強度ジルコニアが大河内記念技術賞を受賞

, ,

2019年2月20日

 東ソーは19日、「高強度ジルコニアの工業化と市場確立」で、公益財団法人大河内記念会より「第65回(平成30年度)大河内記念技術賞」を受賞したと発表した。今回の受賞は、加水分解法によるジルコニア微粒子の合成機構を究明して品質の安定した高品位ジルコニア粉末が製造できる量産技術を確立したこと、特に焼結体微細組織の定説を覆す粒界偏析誘起相変態を発見し、本質的な弱点である劣化を克服した新ジルコニアの開発に成功したことなど、高強度ジルコニアの工業化と市場確立に大きく貢献したことが高く評価されたもの。

 ファイン・セラミックスの一種である高強度ジルコニアは、1980年代に実用化。当時は適切な粉末製造技術が確立していなかったため、原料粉末の品質安定化と量産が困難な状況であり、また高温大気や熱水中では劣化が著しく常温使用に用途が制限されていた。

粉砕用ボール
粉砕用ボール

 同社は、これらの課題に取組み、ジルコニア粒子制御技術の開発と革新的な加水分解プロセスを確立したことで、高強度・高靱性に加えて劣化を著しく抑制した高信頼性を特長とするジルコニア粉末の製造を実現し、これまでに粉砕用ボールや光ファイバ用接続部品、各種構造部材に加えて、審美性に優れる歯科材料などさまざまな用途への利用を進めることで、高強度ジルコニアの市場形成の進展に寄与してきた。さらに、同技術は多様な形状の製品製造や広範囲な色調・透光性の制御も可能であり、高強度材料としての用途のほか光学機器や装飾品用途、触感性に優れた携帯機器部材など、新たな用途での展開が進むと期待されている。

歯科材料
歯科材料

 大河内賞は、大河内正敏博士の功績を称え、その遺志である生産工学の振興を目的として設立された大河内記念会が、日本の生産工学、生産技術の研究開発、および高度生産方式の実施などに関する顕著な功績を表彰する権威ある賞。今回、同社が受賞した「大河内記念技術賞」は、「生産工学および生産技術上優れた独創的研究成果をあげ、学術の進歩と産業の発展に貢献した顕著な業績」に贈られる。同社は、今回の技術賞受賞を励みとし、今後も革新的な研究開発に取り組んでいく。

 

【訃報】 元東ソー代表取締役会長・社長、名誉社友 田代圓氏

,

2019年2月5日

田代圓氏(たしろ・まどか=東ソー〈元代表取締役会長・元社長〉名誉社友)1月27日午後5時9分、敗血症のため東京都済生会中央病院で死去。87歳。葬儀・告別式は近親者のみで執り行われた。喪主は長男・貴資氏。なお、後日に「お別れの会」を執り行う予定。日時や場所などの詳細は決まり次第、発表される。

東ソーの4-12月期 営業減益も過去2番目の水準に

,

2019年2月5日

 東ソーは4日、2018年度第3四半期(4-12月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比7%増の6458億円、営業利益は16%減の796億円、経常利益は17%減の832億円、純利益は18%減の564億円となった。

 同日開催された決算会見で、米澤啓執行役員経営管理室長は「第3四半期累計では、売上高は過去最高となり、利益項目は

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

東ソー 新規プリンテッドエレクトロニクス材料を開発

,

2019年1月29日

 東ソーはこのほど、短チャネル有機トランジスタ向けプリンテッドエレクトロニクス材料(有機半導体、絶縁膜材、撥液バンク材、保護膜材)を開発したと発表した。

 有機半導体(開発コード名:TS5)は、溶解性と耐熱性を併せもち、塗布で良好な結晶膜を形成。5㎛の短チャネル有機トランジスタで1㎠/Vs以上の高移動度を発現する。絶縁膜材(DC100)、撥液バンク材(BC400)、保護膜材(DK500)は、いずれも感光性があり、低温・短時間硬化が可能で、光パターニングにより微細な開口部を形成する。

 同社では、これまでに山形大学との共同研究で、有機ELディスプレイやセンサの試作・駆動実証に成功している。なお新規開発の4製品は、東京ビッグサイトで30日~来月1日に開催の「JFlex2019」(コンバーティングテクノロジー総合展内)に出展される。

 ブース番号は2X‐17。また、同会場で併催される「新機能性材料展」では、同社のファインセラミックス「ジルコニア」関連製品を出展する。ブース番号は2P‐20。

東ソー ジルコニア開発の解析で「秀でた利用成果」優秀賞

,

2019年1月25日

 東ソーはこのほど、文部科学省ナノテクノロジープラットフォームが主催する2018年度の「秀でた利用成果」で、優秀賞を受賞したと発表した。受賞した開発課題は「ジルコニアセラミックスの力学特性劣化機構の解明」。

 ファイン・セラミックスの一種である高強度ジルコニアは、高温大気や熱水中の厳しい環境下に長時間さらされると、結晶相変態による強度劣化のため常温使用に用途が制限されていた。この本質的な弱点を克服するため、同社は劣化モデルの立案とその特性改良に取り組み、従来の概念を覆す超高耐久性ジルコニアの開発に成功した。

 今回、東京大学・微細構造解析プラットフォームの高度な解析技術を利用して、この劣化モデルの妥当性を検証し強度劣化の仕組みを解明。産学連携により、理論に裏打ちされた超高耐久性ジルコニアの提案に至った。これまで制限されていた厳しい環境下での使用が、さらに拡大すると期待されている。

 「秀でた利用成果」は①ナノテクノロジープラットフォームの活用・支援が大きな効果をもたらしたもの②イノベーションの創出にあたって大きな影響が期待できるもの③産業界・大学・公的機関の連携により大きな成果が得られたものという3つの基準で審査される。イノベーションに繋がることが期待される秀逸な成果を表彰している。

 なお、今回受賞した開発成果を含む高機能材料製品を、「新機能性材料展2019」(東京ビッグサイト。30日~来月1日開催)に出展する。

 

東ソー 米ベンチャーに出資しバイオサイエンス事業を強化

,

2019年1月11日

 東ソーは10日、米国のバイオベンチャー企業「10 Biosciences(Semba)社」(ウィスコンシン州)の増資を引き受け、同社へ出資したと発表した。バイオサイエンス事業の強化・拡大の一環。これにより、東ソー・グループのSemba社への出資比率は33.3%(完全希薄化後ベース)になる。なお、この出資は同社100%出資の米国子会社Tosoh Bioscience 社(ペンシルベニア州)を通じて実施した。

 Semba社は2005年の設立。2009年に世界初の卓上タイプの連続クロマトグラフィー装置Octaveを上市した。最近ではバイオ医薬品の開発用連続クロマトグラフィー装置ProPDを市場投入し、製造用連続クロマトグラフィー装置ProGMPの製品化を進めている。

 東ソーは今回の出資により、Semba社との連携を強化し、液体クロマトグラフィー用分離剤(トヨパール)事業とのシナジー効果を狙う。さらに、今後も周辺分野へ展開することで、バイオ医薬品精製のトータル・ソリューション・プロバイダーを目指す。

 市場の成長著しいバイオ医薬品の製造では、精製工程でバッチ方式による生産が主流となっているが、需要変動に対する柔軟性や生産性に優れたプロセスの構築が課題となっている。その解決策として注目されている技術の一つが、従来方式と比べて高生産性で低コストといった特長を持つ連続クロマトグラフィー方式である。 また、医薬品製造の連続プロセス化を米国食品医薬品局(FDA)がメーカーに推奨していることから、今後、従来方式に代わり、主要な技術・市場に成長することが見込まれている。

 なお、連続クロマトグラフィーとは、複数のカラムを組み合わせ、試料・溶離液・洗浄液等の流れをバルブ操作で自動制御することにより、吸着・溶出・カラム洗浄などのプロセスを、並行して連続的に行う液体クロマトグラフィー手法のこと。 

 

【新年特集】東ソー代表取締役社長  山本寿宣氏

,

2019年1月9日

経済環境追い風に好調、次期中計が実力の試金石に

 ━今年度は中期経営計画(2016-18年度)の最終年度です。昨年はどのような年でしたか。

山本社長01 2016年度から現在の中計を始め、数値目標とした売上高と営業利益を初年度で達成し、最終年度の今期も達成できる見込みです。

 そういう意味ではこの3年間は良かったと言えます。

 スペシャリティはやや下回るものの、コモディティについては経済環境の変化によって、利益が計画を上回りました。

 つまり、当初想定した数字が甘かったのではなく、経済環境が良かったということです。

 利益面で最も良かったのはウレタンです。他社でトラブルが起きたり、立ち上げが遅れたりで、需給バランスがタイトになり、市況が高値で推移したことが大きいですね。逆に、当社ではプラントトラブルなどがありませんでした。

 当初目標に掲げたうち、スペシャリティとコモディティの利益を50対50にすることと、M&Aの実施が未達だったということはありますけれど、投資計画を予定通りに行え、財務体質が強化できたことは大きな成果です。

 ━石化市況が下がり始めていますが、この先は。

 不透明だと思います。米中の貿易摩擦がどういう形で決着するのか見通せないことに加え、原油価格の動向や英国のEU離脱といった問題があるからです。鉄鋼とアルミに続き自動車が追加関税の対象になると、化学産業も含めて広く影響を受けると考えています。

 ━そうした中で、今後の事業戦略でのキーワードは。

 「成長」です。成長するには、今の中計でも重点目標として挙げている3分野「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「電子材料」を伸ばしていく必要があります。

 コモディティはフル生産で動いていますから、能力増強をしない限り成長性が望めません。そこで、基盤強化を図りながら、能力増強も検討していく方針です。

 スペシャリティについては、引き続きオープンイノベーションを含めた研究開発に力を入れ、チャンスがあれば能力増強も行っていきたいと考えています。

 ━自社の強みをどう見ていますか。

 ビニル・イソシアネート・チェーンで効率的な生産・販売体制を構築していることです。機能製品では、それぞれ特徴を生かした製品開発ができており、特にセラミックスではデファクトスタンダードの製品が育っています。

 そうは言っても、競争相手が市場参入してきていますから、いかに差別化するかが課題です。成長のための原動力は差別化なので、これを引き続き追求していく必要があると思っています。

 ━化学メーカーがティア1やティア2を買収して、市場のニーズを掴むような動きが見られますが、どう考えますか。

 餅は餅屋と言いますが、当社としては

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について