NEDOなど 野菜市場価格のAI予測サービス提供を開始

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2021年5月11日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3月より、ファームシップと豊橋技術科学大学が人工知能(AI)を活用して開発した野菜市場価格の高精度予測サービスの無償提供を開始した。

 NEDOは「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」事業の一環として、東京都中央卸売市場大田市場のレタス価格を月次で予測する市場価格予測アルゴリズムを実証。今回、レタスに加えトマトやイチゴなど5品目の市場価格を週次単位で高精度に予測する仕組みを開発した。

 植物工場はその効率的生産性により生産量を伸ばしているが、その需要は露地野菜の価格に左右され、廃棄や販売の機会損失が生じている。それに対し、同事業は植物工場の野菜栽培過程や流通でのビッグデータを収集し、AIで需給をマッチングし、野菜の成長や物流などを最適化し、バリューチェーン全体を効率化することで、野菜の廃棄や販売機会損失の低減を目指している。

 2018年から東京大学がセンサー技術、豊橋技術科学大学が需要予測技術、パイマテリアルデザインが生育予測技術、そしてファームシップがトータル・システム効率化技術の開発を担当し、生産・流通・販売の現場データを活用した需要予測システムと成長制御システムを開発し、レタスの価格予測の実証を行ってきた。大田市場のレタス市場価格と植物工場のレタス需要量の相関関係に着目し、これまでのレタスの市場価格などのビッグデータをAI機械学習で解析し、1週間先のレタス市場価格を高精度で予測する仕組みを開発した。

 今後3者は、この実証を通じて需要予測システムと生育予測や成長制御を統合した生産制御システムの有効性を検証していく。また、ファームシップは需要予測値と実績の精度を確認した上でシステムの充実・強化を図り、ファームシップと豊橋技術科学大学はこの実証データをもとに、「AIによる植物工場等バリューチェーン効率化システム」の研究開発を進め、栽培する野菜の成長制御や物流など各プロセスの最適化を組み合わせてバリューチェーン全体の効率化を目指す。

野菜市場価格の予測サービスの仕組みイメージ
野菜市場価格の予測サービスの仕組みイメージ

 

ダイセル 新型コロナウイルスの配列検査用試薬を無償提供

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2020年2月27日

 ダイセルはこのほど、グループ会社の米Arbor Biosciences社が、新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2)の配列検査用試薬「myBaits Expert 2019‐nCoV」をリリースし、12日から新型コロナウイルスの研究者に無償提供を開始したと発表した。

 分子生物学ツール開発をリードしてきたArbor社は、これまで他の病原体用に同タイプの配列検査用試薬の開発・製造を行ってきた。今回、研究界からの要請を受け、その知識・経験を生かし、一週間で同試薬を開発・リリースした。

 同試薬は、1月31日時点でNCBIデータベースから入手可能な、全ゲノム配列と部分ゲノム配列に基づいている。新型コロナウイルスを疫学・系統発生学的見地から研究している、世界中の研究者に同試薬を無償で提供することで、新型コロナウイルスへの対応を支援していく。

 詳しくは、Arbor社の日本代理店であるプライムテック(東京都文京区)の問い合わせページ(https://www.primetech.co.jp/news/tabid/70/language/ja-JP/Default.aspx?itemid=325)まで。