三菱ケミカルは16日、中国・光明食品集団との間で、中国初となるキュウリの栽培システムを含む、中国最大規模の人工光太陽光併用型野菜栽培システム(植物工場)の納入について合意したと発表した。
子会社の三菱ケミカルアグリドリームが開発した植物工場を、同社の中国子会社である無錫菱陽生態農業設施科技が納入する。今回納入する植物工場は、育苗までを人工光で行い、それ以降は太陽光を利用して効率的に生産を行う併用型。特長として、通年での収穫が可能であること、節水型であること、肥料の適切な使用が可能となることなどが挙げられる。
光明食品は、農水産品生産から食品加工、物流、リテール販売に至る食品のバリューチェーンを構築しており、中国有数の食品ブランドを数多く保有。2017年から三菱ケミカルの葉菜類栽培システム(栽培面積8000㎡)を導入して葉物野菜を生産しており、今回は第2期工事として、葉菜類の生産量拡大(栽培面積8640㎡×2棟を新設)に加え、果菜類の栽培システム(トマト、イチゴ、キュウリ、栽培面積は各2300㎡)を導入する計画で、今夏の稼働を目指している。
近年、中国市場では、より新鮮でおいしく、さらには安心・安全な食材への関心が急速に高まりを見せている。また、食肉の消費量が年々増加するに伴い、副菜として生野菜のサラダを食べる習慣が浸透し始めるなど、消費者の中で高付加価値のあるプレミアム野菜の購入意欲が高まりつつあり、三菱ケミカルは戦略的市場と位置づけている。
同社今後も、投資や提携などを通じて成長著しいアジア市場の需要を取り込み、積極的に植物工場事業を展開していく考えだ。