ランクセス 有機皮革用化学品事業を独TFL社に売却

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2020年9月8日

 独ランクセスはこのほど、皮革用化学品のグローバル企業で米国投資会社ブラックダイヤモンドキャピタルマネジメントのポートフォリオ企業である独TFL Ledertechnikに有機皮革用化学品事業を売却すると発表した。売買価格は8000万ユーロの固定要素と最大1億1500万ユーロのパフォーマンス関連要素からなり、事業に関連する一定の負債はTFLが引き受ける。株式譲渡は、関係各国の独占禁止法規制当局の承認後、来年中旬頃の完了見込みとしている。

 有機皮革用化学製品は、なめし工場の皮革製品製造の全工程で使用される。ランクセスはドイツ、イタリア、中国に製造拠点、世界中に用途開発の研究所と営業拠点をもっており、TFLはランクセスの同化学品の全ての事業と約460人の従業員を引き継ぐ。

 同事業の昨年の売上高は数億ユーロであった。これにより、同社は皮革用化学品分野から完全に撤退する。同ビジネスユニットは昨年末以来、非継続事業として会計報告している。またクロム化学品事業とクロム鉱石鉱山の株式も昨年売却しており、クロム鉱石鉱山の株式譲渡は今年末までに完了する予定だ。

 ランクセスのマティアス・ツァハトCEOは「同事業は、皮革用化学品大手のTFL社に移行することで、さらなる成長と発展が見込まれ、大きな進化を遂げると確信する。当社は、皮革製品の主要産業である自動車産業から、一定の独立性を確保できる」と述べている。