中外製薬はこのほど、日本IBMと協働で、生産機能のデジタルトランスフォーメーション(DX)を展開すると発表した。
中外製薬は、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」の基本戦略の1つにすべてのバリューチェーンの効率化を掲げ、その一環としてデジタルプラントの実現を目指している。今回、日本IBMと協働し、人に着目した生産機能のDXを展開することで、自社創薬の加速と環境変化への対応を果たし、生産性向上、信頼性向上、働き方変革を実現する。
中外製薬の目指すデジタルプラントでは、「デジタルで生産業務を変革し、生産性を高めて人財を高付加価値化する」をコンセプトに、①計画、②直接業務、③間接業務のいずれにおいても、人とオペレーションのデータ連携・最適化を図る。第一段階として、浮間工場のDXをモデルケースとして先行実施。2022年半ばまでを目途に新しいオペレーションを支えるデジタル基盤を構築し、各施策と他拠点への展開にむけた検証を行う。
昨年から構想・要件定義について着手しており、今年から各施策を展開する予定。DXの実績が豊富な日本IBMとの連携により、各作業段階に応じ、使いやすいシステム群で人と業務の改革を目指す。
全体のイメージとして、製造系、品質系、要員系などの各種データソースからの情報を共通のデータ基盤に集約。現場に適した情報端末からアクセスできる業務システムと連携させることで、効率的な生産・要員計画および進捗管理、GMP文書検索、現場のリモート支援など、一連の生産業務を通じた業務改革に活用する。