JBA 「バイオインダストリー大賞」の受賞者を決定

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2020年7月22日

 バイオインダストリー協会(JBA)はこのほど、第4回「バイオインダストリー大賞」の受賞者を決定した。大賞に輝いたのは、北沢剛久氏(中外製薬研究本部創薬薬理研究部長)が率いる中外製薬と、吉岡章氏(奈良県立医科大学名誉教授)らの同大学のグループ。「血液凝固第Ⅷ因子機能を代替するバイスペシフィック抗体医薬の創製による血友病Aの治療革命」の業績に対して贈られた。

 同研究グループは、血友病Aに対し「バイスペシフィック(二重特異性)抗体」で生体内タンパク質の作用を代替するという独創的発想から創薬研究にチャレンジし、「ヘムライブラ皮下注」を開発した。同新薬は従来製剤と比較し、患者と家族のQOLの劇的な向上や症状の軽症化に加え、医療費のコストダウンが期待される画期的な治療薬。昨年までに世界約100カ国で承認されており、その売上は日本円換算で1500億円を超え、極めて高い社会的インパクトのあるブロックバスターとなった。

 創薬研究から臨床開発を一貫して産学連携で進め、抗体医薬生産技術を確立。世界に先駆けた日本発の創薬であり、今後、新たな機能性抗体医薬の創出など国内外のバイオインダストリーの発展に大きく寄与するものと期待されることから、その業績が高く評価された。

 「バイオインダストリー大賞」は2017年、JBAが30周年を迎えるのを機に、次の30年を見据えて〝最先端の研究が世界を創る―バイオテクノロジーの新時代―〟をスローガンに創設。バイオインダストリーの発展に大きく貢献した、または、今後の発展に大きく貢献すると期待される顕著な業績を表彰している。

 今回、科学技術振興機構の顧問・相澤益男氏を選考委員長とする13人の選考委員会により厳正な審査を経て、受賞者1件を決定した。副賞は300万円。贈呈式・受賞記念講演会は今秋10月14日に、国際的なバイオイベント「BioJapan 2020」の会場(パシフィコ横浜)で開催される予定。