日板硝子 抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン」簡易衝立キットを開発

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2020年7月10日

 日本板硝子はこのほど、光触媒技術を活用した抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン」を使った簡易衝立キットを開発したと発表した。

 ウイルスクリーン簡易衝立キット
ウイルスクリーン簡易衝立キット

 「ウイルスクリーン」は銅系化合物と酸化チタン光触媒を組み合わせた抗ウイルスガラス製品で、ガラスに付着したウイルスの活性を低減させる。商業施設のレジカウンターなどでの利用を想定した組み立て式の簡易衝立キットで、サイズは2種類、9月ごろ発売の予定。「ウイルスクリーン」は「抗ウイルス」が求められる病院や公共施設などへ提供してきたが、「新しい生活様式」では商業施設、ホテル、幼稚園、工場など様々な施設でもウイルス対策が求められている。

 今回発売の「簡易衝立キット」は、レジカウンターなどでの飛沫感染防止を想定し、客側に抗ウイルス膜、店員側に飛散防止フィルムを貼り付けたもの。抗ウイルス膜は、銅系化合物(抗菌・抗ウイルス効果)を酸化チタン光触媒膜(有機物の分解)にスパッタリングした複合膜。銅系化合物の抗ウイルス効果が弱まっても、光触媒機能により効果が回復する。

 また光触媒は、蛍光灯やLED照明対応の「可視光応答型」である。ものに付着した細菌やウイルスは一般的に12~24時間生存すると言わるが、「ウイルスクリーン」は、ガラス面に付着したウイルスを室内照明下約60分で99%以上減少させる。一般的なアクリルや塩ビと比べ、耐久性(耐UV、変色)、美観(透過性、視認性)、メンテナンス(消毒不要)の点で優れている。

 同社は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのレジカウンターで、感染を気にすることなく買い物ができる「新たな生活様式」が生まれることを期待している。なお、「ウイルスクリーン」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」で東京大学との共同研究から生まれたもの。