三菱ケミカルは25日、オランダAtum3Dと、光造形3Dプリンターで造形可能な紫外線硬化樹脂「ダイヤビーム」の共同開発に成功したと発表した。「ダイヤビーム」の開発グレードは、11月19~22日にドイツ・フランクフルトで開催されるヨーロッパ最大の3Dプリンター展示会「Formnext2019」に出展する予定。
3DプリンターメーカーのAtum社は、光硬化タイプの液体樹脂に紫外線を当てることにより、樹脂を硬化させて造形するDLP方式(Digital Light Processing)のオープン材料型3Dプリンターで、欧州で確立された顧客基盤と技術を持っている。
同社は保有するプリンター・ソフトウェアの製造技術と蓄積されたノウハウによって、特定の原料による造形だけなく、顧客の要望に沿った樹脂を原料として造形することを可能としており、今回、三菱ケミカルで製造を予定する「ダイヤビーム」の共同開発に成功した。
「ダイヤビーム」は紫外線硬化樹脂では両立することが難しい耐熱性と耐衝撃性をバランス良く持ち合わせ、耐摩耗性にも優れている。この特性と光造形3Dプリントにより、複雑な形状品の製造が可能なことから、自動車の内装材などへの採用が期待される。
三菱ケミカルグループは今回の共同開発を含め、欧米市場とのネットワークを拡大することで、3Dプリンティング用素材にかかわる戦略を進化させ、積極的な事業展開を図っていく。