三菱ケミカル 英国でEVOHを増強、旺盛な需要に対応

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2022年7月29日

 三菱ケミカルグループは28日、食品包装材などに使われるエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)「ソアノール」について、英国で2万1000tの能力増強を決定したと発表した。2025年7月の稼働を予定している。

 「ソアノール」は

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三井化学 半導体製造用テープを能増、台湾で2倍強に拡大

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2021年4月9日

 三井化学は8日、100%子会社の三井化学東セロが台湾での半導体製造工程用テープ「イクロステープ」の能力増強を決定したと発表した。

「イクロステープ」。半導体製造工程で使用される保護テープ
「イクロステープ」。半導体製造工程で使用される保護テープ

 昨年1月に営業運転を開始した台灣東喜璐機能膜(台湾東セロ)で行うもの。今夏8月に着工し、2023年10月の営業運転開始を予定する。増設後の生産能力は年産760万㎡。これにより、台湾での生産能力は2倍以上に拡大する。国内の名古屋工場と合わせ、同製品の大幅な供給能力の拡充を図るとともに、BCP体制を強化していく狙いだ。

 「イクロステープ」は、三井化学の樹脂由来のポリマーサイエンス技術と、三井化学東セロの精緻なフィルム加工技術の強みを合わせた製品。半導体製造工程に使われる保護テープとして、特にシリコンウエハーの裏面研削工程用で世界トップシェアをもつ。

台湾東セロの全景。「イクロステープ」を製造する
台湾東セロの全景。「イクロステープ」を製造する

 昨今、半導体市場はコロナ禍によるテレワークの拡大など生活様式の変化に伴い、PCやデータセンター向けの需要が増大しており、また、5Gの本格化に伴い基地局や携帯端末の伸長などで需要拡大と成長が見込まれている。今回の増設を行うことで、「イクロステープ」は、世界的な半導体需要の高まりに対応するとともに、事業領域を拡大していく。

 三井化学東セロは高品質な製品を供給する製造・販売・技術サービスを拡充し、さらなるフィルム・シート事業の強化・拡大を積極的に進めていく考えだ。

デンカ 窒化珪素を能増、機能性セラミックス材料を強化

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2020年11月6日

 デンカは5日、xEV向け放熱材料の事業強化の一環として、大牟田工場(福岡県)で製造する窒化珪素の能力を現行比から約3割増強すると発表した。稼働時期は2022年度下期を予定しており、機能性セラミックス事業の強化を目指す。

窒化珪素
窒化珪素

 窒化珪素とは熱的・機械的特性に優れた代表的なエンジニアリングセラミックの1つであり、同社は生産能力、市場シェア共にトップクラスを誇っている。xEVの普及に伴い、放熱材料市場の伸長だけでなく、車載部品の高性能化により、高熱伝導性や高信頼性など、その要求水準が飛躍的に高まっている。同社の窒化珪素は、高熱伝導性をはじめ高強度、耐摩耗性、高信頼性といった特長から、車載駆動用インバーター向け放熱基板や風力発電向けベアリングボール、半導体製造装置など構造材用途で高い評価を得ている。今回の能力増強により、安定供給体制をさらに強化するとともに、多様なユーザーニーズに答えていく。

 同社は経営計画に基づく成長戦略の一環として、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野に注力。1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御などの基盤技術をもとに、球状溶融シリカ、窒化ホウ素、球状アルミナ、蛍光体など多岐にわたる機能性セラミックスを提供するトップメーカーとして、先月市場に投入した球状マグネシアのほか、新たな素材の開発にも積極的に取り組んでいる。また、今後需要の増加が見込まれるLIB向け超高純度アセチレンブラックの安定供給に努めるとともに、5G用途のLCPフィルムや低誘電絶縁材料(LDM)など、機能性セラミックス以外の新素材開発も進め、環境・エネルギー分野の2022年度の営業利益200億円達成を目指す。

 同社はSDGsを羅針盤に、通信速度の高速化や電気自動車の性能向上に向け5G・xEV用途を広げ、スペシャリティー事業の成長を加速させていく方針だ。

環境・エネルギー分野の主力製品図
環境・エネルギー分野の主力製品図

 

カネカ 生分解性ポリマーの年産5千tプラントが竣工

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2019年12月24日

 カネカはこのほど、高砂工業所(兵庫県)での「カネカ生分解性ポリマーPHBH」の能力増強工事を予定通り終え、17日に竣工式を行った。なお、投資額は約25億円で、生産能力は従来の5倍となる年産約5千tとなった。

竣工した新培養槽
竣工した新培養槽

 近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系へ影響を与えるとして世界的な社会問題となっている。同社が開発した100%植物由来のバイオポリマーである「PHBH」は、海水中で生分解する認証を取得しており、海洋汚染低減に貢献すると期待されている。

 また米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジティブリストに掲載され、食品接触用途で使用可能となる国や地域が拡大している。欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは来年1月から規制が厳格化され、「PHBH」の販売が急拡大する見込み。

 一方、国内では、セブン‐イレブン・ジャパン全国約1万店舗で、11月からセブンカフェ用「PHBH」製ストローの採用が始まっており、また、資生堂とは化粧品容器の共同開発を行っている。さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、年産5千tプラントは早期にフル稼動になる見通し。

 同社は、今回の生産能力増強にとどまらず、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため、早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しだ。

デンカ シンガポールでMS樹脂増産、PS生産設備を転用

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2019年9月10日

 デンカは9日、シンガポール連結子会社DSPLのポリスチレン(GPPS「Denka Styrol」)の生産を停止し、生産設備の改造によりMS樹脂の能力増強を行うと発表した。同設備改造に伴う投資額は約27億円。2021年上半期の稼働を予定しており、PSの販売は20年末に終了する。

 MS樹脂は液晶TVやモニターの大画面化・狭額縁化により需要が急増しているバックライト用導光板をはじめとした光学用途や、中国を中心としたアジア太平洋地域で成長著しい化粧品用容器などの非光学用途の拡大もあり、現在供給能力が不足している状況だ。

 同社はMS樹脂のリーディングカンパニーとして拡大する需要に対応するため、既存PS生産設備の改造によりMS樹脂の生産能力を倍増(増強後14万t)し、将来の需要拡大に対応するとともに、現在の1基生産体制を2基体制としBCP対応を強化する。

 同社は1997年にシンガポールで高強度GPPSである「MW‐1」を中心に、PSの生産販売を開始し、ASEAN、中国をはじめ世界30ヵ国以上で使われてきた。しかし、PSの海外市場は需要に対し供給が余剰であることから、今回PSの生産を停止し、より付加価値が高い機能樹脂であるMS樹脂の製造設備へ転換する。

 同社は、経営計画「Denka Value‐Up」で事業ポートフォリオ変革を進めており、2022年度の営業利益に占めるスペシャリティー化率90%を目標に掲げている。今後も将来需要に対応した投資を迅速に行い、基盤事業のさらなるスペシャリティー化を目指す。