宇部興産 廃プラのガス化、日揮にEUPライセンスを許諾

, , , , ,

2020年10月7日

 宇部興産は6日、EUP(Ebara Ube Process)を活用した廃プラスチックのガス化ケミカルリサイクル(CR)に関して、共同ライセンサーである荏原環境プラントと共に、日揮グローバルとEUPのライセンス実施許諾権契約を締結したと発表した。

 3社は2019年からEUPを通じた協業について検討を進めてきていた。昨今、世界的な社会課題となっている廃プラへの対応では、ガス化CRが注目されている。他の手法ではリサイクルが困難である異種素材や不純物を含むプラスチックを分子レベルまで分解し、アンモニアやメタノール、オレフィンなど、様々な化学品に再生し、プラスチックやゴム、化学繊維の原料として活用することができることから、廃プラリサイクル率の大幅な向上への貢献が期待されている。

 宇部興産と荏原環境プラントが開発したEUPは、廃プラを酸素と蒸気により部分酸化することでガス化し、化学品合成に利用可能な合成ガスを製造するプロセス。2003年から昭和電工川崎事業所でEUPを採用したガス化設備(廃プラの年間処理量約7万t)が稼働しており、ガス化CR用途では世界で唯一の長期商業運転を継続している。宇部興産はこれまでも廃プラへ積極的に対応を行ってきたが、今回のライセンス契約を通じて、ライセンサーとしての立場から廃プラのガス化CRであるEUPの普及・促進を図るとともに、国内外での廃プラ対策に積極的に取り組んでいく。

 宇部興産グループは、「UBEグループ環境ビジョン2050」を定め、自然と調和した企業活動の推進に取り組み、2050年までに温室効果ガス排出量の80%削減を目指している。また、中期経営計画の基本方針の1つとして「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げ、さらなる温室効果ガス排出量の削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大に取り組んでいく考えだ。

 

宇部興産など4社 廃プラのガス化CR 協業の検討を開始

, , ,

2019年8月29日

 宇部興産、昭和電工、日揮、荏原環境プラントは28日、先月31日に秘密保持契約を締結の上、EUP(Ebara Ube Process)を活用した廃プラスチックのガス化処理設備の EPC(設計・調達・建設)に関わる協業の検討を開始したと発表した。

 昨今、海洋マイクロプラスチック問題に代表されるように、廃プラのリサイクル推進は世界的な課題となっている。

 日本でのプラのリサイクル率は86%だが、その内資源循環されているプラの割合は13.5%に留まり、残りは海外輸出やサーマルリサイクル(TR)などへ利用されている(2017年度)。

 さらに、中国や東南アジア諸国に見られる固体廃棄物輸入の規制強化の流れが強まる中、日本のみならず各国内での資源循環システムの確立が急務となっている。

 廃プラのガス化ケミカルリサイクル(CR)は、他の手法ではリサイクルが困難である異種素材や不純物を含むプラを分子レベルに分解し、さまざまな化学物質に再生することが可能であり、リサイクル率の大幅な向上への貢献が期待されている。

 2000年に荏原製作所(2009年に荏原環境プラントに事業承継)と宇部興産が開発したEUPは、廃プラを酸素と蒸気による部分酸化によりガス化し、アンモニアやオレフィンなどの化学品合成に利用可能な合成ガスを生産するプロセス。

 2003年から昭和電工川崎事業所で稼働を続けているガス化設備(廃プラの年間処理量約7万t)には、このEUPが採用されており、ガス化CR用途では、世界で唯一の長期商業運転実績をもつ技術。

 今後、4社は、年内を目途にEUPのライセンス契約を締結の上、国内外においてガス化処理設備に関わる積極的な営業活動を展開し、EUPを用いた廃プラガス化処理設備の提案とEPC業務遂行を目指す。

 さらに、EUPを含む設備により合成されるアンモニアやオレフィンなどを用いた化学品製造設備の提案を通じ、国内外でのガス化CRの普及と資源循環推進に取り組んでいく。