ADEKAはこのほど、信州大学や北海道情報大学などと、日頃からストレスを感じているⅠ度高血圧者と血圧が高めの健常人(正常高値血圧者)を対象とした臨床試験(プラセボを用いた二重盲検ランダム化比較試験)により、ナス由来コリンエステルを含むナス搾汁粉末の継続摂取による血圧改善効果と気分改善効果を確認したと発表した。
この研究成果は、ナスの食品機能性を高水準の臨床試験で証明した世界初の成果で、栄養学の分野で評価の高い国際学術誌「Nutrients」に掲載された。
同研究は、農業・食品産業技術総合研究機構の生物系特定産業技術研究支援センター(生研支援センター)の委託プロジェクトである、革新的技術開発・緊急展開事業「新規機能性成分によるナス高付加価値化のための機能性表示食品開発」で創出した研究成果の一部。
わが国の農林水産業の国際競争力強化に向け、ナス栽培農家の所得向上という明確な開発目標の下、栽培作物ではナスにだけ新規機能性成分・コリンエステルが豊富に含まれるという信州大・中村造蔵准教授の発見に基づいて、ナス生産者・企業・大学・研究機関がナス高機能化コンソーシアムを組んで、社会実装を視野に入れたナス・イノベーションに、2017年度から3年間にわたり取り組んできた。
コンソーシアムには、ナス生産者として倉澤農園、研究機関として信州大、北海道情報大、農研機構、高知県農業技術センター、企業としてADEKAのほか、サラダコスモが参画。また、研究成果の普及とナス製品開発販売のために、安芸農業振興センター、高知県農業協同組合、三井食品工業、島貿易、ウェルナス(信州大発ベンチャー)が協力機関として参加している。
同研究成果をもとに、ナス由来コリンエステルを関与成分とする機能性表示食品(生鮮ナスおよびナス加工品・サプリメントなど)の開発を加速させ、製品化と販売を視野に、引き続き官民学共同チーム一丸となって進めていく。なお、今回の研究成果については、アグリビジネス創出フェア2019(11月20~22日:東京ビッグサイト)で紹介を行った。