旭化成建材はこのほど、同社の快適空間研究所が、コロナ対策として急速に広がった在宅勤務者について、住まいと暮らしの実態を把握するため2度目の調査を実施し、その結果を報告した。なお同調査は、今年1~2月に在宅勤務をした首都圏の居住者を対象として3月に実施している。
①在宅勤務環境に対する満足度と継続意向では、満足度(大変満足、満足)は40%前後で、温熱性能の高い住まいに住んでいる人ほど在宅勤務環境に満足しており、その割合は約60%となった。共働き夫婦の在宅勤務経験者では、コロナ収束後も週の半分以上の在宅勤務を望む人は76.4%と前回調査を上回っている。
②時間の使い方の変化では、コロナ禍前と比較して、「仕事・家族・自分時間のバランス」に変化があったのは61.2%、「自分が好きに使える時間」が増えた人は66.6%、「家族と一緒に過ごす時間」が良くなった人は50.6%だった。
③自身の気持ち(仕事・家族・自分・社会)の配分では、現状と理想にギャップがあった。現状よりも、男性は「仕事」を減らして「家族・家庭」、「自分」を増やしたい、女性は「仕事」と「家族・家庭」を減らして「自分」を増やしたいといった傾向が見られた。
④在宅勤務の場所と家族との距離では、在宅勤務をする理想の場所は、男性は「個室の書斎」、女性は「リビング・ダイニング」が最も多く、在宅勤務をしている場所が「個室」派の方が「共有スペース」派よりも、在宅勤務環境に対する満足度が高かった。また、在宅勤務時の家族との望ましい距離で最も多かったのは、「個室」派は3.0m、「共有スペース」派は2.0mだった。
同研究所では、これまで「生活者のいきいきとした暮らしの実現」に貢献するために調査研究や情報発信を実施してきた。今後も、今回の調査結果から見えてきた、コロナ禍における働き方の変化に伴って、変わりつつある住まいへの考え方や新しい暮らし方に対応し、生活者本人だけでなくその家族が幸せになる「良質な空間」を創出するための調査研究、情報発信活動を行っていく。