BASFはこのほど、世界的なプライベート・エクイティ・ファームであるローン・スターの関連会社と、BASFの建設化学品事業の譲渡譲受契約を締結した。買収価格は現金・負債がゼロの状態で31億7000万ユーロ。取引は関連する競争当局の承認を条件として、今年第34半期に完了する予定だ。
BASFの建設化学品事業は7000人以上の従業員を擁し、60カ国以上に生産拠点と販売拠点を展開しており、一昨年の売上高は約25億ユーロだった。今回の契約締結により、BASFグループの財務報告に即時の影響が生じることになる。
建設化学品事業の売上高・利益は、遡及的に昨年1月1日以降のBASFグループの売上高、利息・税金・償却控除前利益EBITDAと、特別項目控除前EBITに含まれなくなり、過年度の数値は調整される。一昨年の調整後のBASFグループの売上高は602億ユーロ、EBITDAは89億7000万ユーロ、特別項目控除前営業利益は62億8100万ユーロとなる。
事業譲渡が完了するまでは、当該事業からの利益は、BASFグループの税引後利益のうちの「非継続事業からの税引後利益」として区分表示される。ローン・スターのロナルド・クインティン欧州プレジデントは「BASFの建設化学品事業のエキスパートがもつ、業界に認められた知識や能力を高く評価しており、ともに成長志向の事業展開を進めていきたいと考えている」と述べている。