DICはこのほど、独BASFがもつ顔料事業「BCE(BASF Colors and Effects)」に関する資産および株式の買収を完了したと発表した。
DICは2019年にBASFと売買契約を締結。BCEに関する技術、特許などの知的財産、株式買収に含まれない営業権などの資産、同事業を構成する18社の株式取得に向けて、関連する諸手続きを進めてきた。6月30日にすべての手続きが完了したため、両社間でクロージングの合意に至った。
DICは中期経営計画の中で、「安全・安心」「彩り」「快適」の価値提供を通じて、〝ユニークで社会から信頼されるグローバル企業〟を目指し、「質的転換」による事業体質の強化「バリュー・トランスフォーメーション」と、社会課題や社会変化に対応した新事業の創出「ニュー・ピラー・クリエイション」の2つを基本戦略として推進している。
DICグループの一員となるBCEは欧州を中心にグローバルに拠点をもち、高級顔料、エフェクト顔料(化粧品向け)および特殊無機顔料では世界有数の会社であり、BCEが保有する技術、製品、生産設備、サプライチェーン、顧客サービスなどの事業ポートフォリオは、DICと重複が少なく製品補完性が高い状況にある。
今回の買収によって、両社のポートフォリオが相互に補完されることにより、DICはディスプレイ、化粧品、塗料、プラスチック、インキ、スペシャリティ用途などの製品群をさらに拡充し、世界有数の顔料メーカーとしての地位を強化していく。そしてグローバルベースでより幅広い製品とソリューションを顧客に提供する体制を構築することで、顔料事業の質的転換を加速していく。