DSMはこのほど、Clariterと戦略的に提携し、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維「ダイニーマ」をベースとした製品の次世代型ケミカルリサイクルソリューションを追求すると発表した。第1段階としてポーランドにあるClariterのパイロットプラントで、「ダイニーマ」製のロープ、ネット、防弾素材などのサンプル製品の再資源化に成功。これにより「ダイニーマ」のリサイクル性が実証されると同時に、サステナブルな世界を目指すDSMプロテクティブマテリアルズのコミットメントが明確に示された。
DSMプロテクティブマテリアルズは、SDGsの達成に向けて、バイオベース「ダイニーマ」の製品化に続き、「ダイニーマ」をベースとした使用済み製品の再利用/リサイクルソリューションを積極的に推進。両社はパートナーシップを結び、Clariterのケミカルリサイクルプロセスにより「ダイニーマ」を原料として利用する実験を行った。パイロットプラントでは、Clariterが特許を取得した3段階から成るケミカルリサイクルプロセスを通して、「ダイニーマ」ベースの最終製品を高付加価値の産業用グレードのオイル、ワックス、溶剤などに変えることが技術的に可能であるという良好な結果が得られた。さらにそれらを最終製品や消費者向け製品を製造する材料として利用することもできる。
今後、両社は、よりサステナブルな世界を目指し、ケミカルリサイクルソリューションに向けた取り組みを推進していく。具体的には、実験室規模での試験の成功をベースに、Clariterは今年、南アフリカの施設で商業規模の試験を実施する予定。近い将来、欧州に大規模プラントを建設し、「ダイニーマ」由来の原料を利用することを目指す。DSMは、「ダイニーマ」の環境負荷を、すべての製品のライフステージで低減する可能性を、引き続き模索していく。