DSMはこのほど、ニュージーランドの酪農協同組合「フォンテラ」と、低メタン排出畜産業への移行促進に向け、協力協定を締結したと発表した。フォンテラはニュージーランドを本拠地とする約1万戸の酪農家による協同組合で、世界各国に約2万人の従業員を抱える。同国の生乳の約85%を収集し、29の国内製造拠点を通して140ヵ国に乳製品を輸出する世界最大規模の乳製品輸出企業。
フォンテラは、より健全な地球を目指し、サステナビリティを推進しており、その一環として畜産分野での温室効果ガス排出問題に取り組んでいる。メタンは畜産分野で大きな課題となっているが、特に、畜産分野での排出が国の温室効果ガス排出量の半分近くを占めているニュージーランドでは深刻な問題。両社にとって、パリ協定に対するコミットメントとニュージーランドのゼロカーボン目標の達成に大きく貢献することは非常に重要な取り組みとなる。
DSMが開発した飼料添加物「Bovaer」は、世界資源研究所による、世界の食糧事情にサステナブルな形で貢献できるグローバルで画期的な技術10件のうちの1つとして選ばれており、同製品を使うことで、効果的かつ、継続的に牛のメタン排出量を30%以上削減できる。
DSMとフォンテラは、この5年間、同国で牧草主体の農場経営システムに飼料添加物でアプローチするソリューションの開発を進めてきた。今回の協力協定の締結により、両社は一歩先の協業を目指すべく、ニュージーランドの生産者が同製品を使用できるようにするための取り組みを共同で加速させていく。これによりニュージーランドは今後、低炭素排出の酪農製品製造のリーダーシップを発揮することが期待される。