三菱ケミカルと宇部興産は31日、リチウムイオン二次電池(LIB)用電解液事業に関し、新設する合弁会社にそれぞれのLIB用をはじめとする電解液事業を承継させることについて共同新設分割計画書に合意したと発表した。
今年10月1日に設立される合弁新社は「MUアイオニックソリューションズ」(出資比率は三菱ケミカル80%、宇部興産20%)。LIB用電解液の生産能力は合計3万6000t(三菱ケミカル四日市事業所の1万6000t、宇部興産堺事業所の1万t、中国常熟1万t)となる。
両社は、2018年より合弁形態で運営している常熟宇菱電池材料を通じて、中国で同事業を共同で行ってきた。今回、提携をさらに拡大し、相乗効果による製品開発力の向上ならびに購買、生産、販売体制の効率化による経営基盤の強化を図るとともに、研究開発を統合し、両社の持つ知的財産・技術開発力を一体化することで、国内外の競争力をさらに高め、同事業の長期的な発展を図ることで合意した。
具体的には、日本で合弁新社を設立し、日本の製造拠点をはじめとして両社の同事業に関わる資産を合弁新社に承継し、統合運営する。また、常熟宇菱電池材料は、合弁新社の100%子会社となる。
なお、三菱ケミカルの100%子会社の英・MC Ionic Solutions UK、100%孫会社の米・MC Ionic Solutions USは、今回の統合の対象外となっている。