積水化学工業 見守りセンサーと介護福祉業務支援ソフトを連携

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2021年10月19日

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは18日、介護施設・病院向け見守りセンサー「ANSIEL」について、NDソフトウェア社の介護・福祉業務支援ソフトウェア「ほのぼのNEXT」システムとの連携を可能にしたと発表した。

見守りセンサー「ANSIEL」
見守りセンサー「ANSIEL」

 この連携により、介護現場における記録などの工数削減につなげるとともに、迅速かつ正確な心拍・呼吸データの把握により管理レベルを向上し、利用者の健康維持に貢献する。

 高齢化が進む中、介護現場では、各種ケアの実施内容やバイタルデータの確認、記録などを日々行う必要があるなど、介護者の作業は多岐にわたっており負担が増大。それに対し、介護記録ソフトの出現により現場の負担が軽減されてきた。さらに、今年4月から、厚生労働省が推進する「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用が始まり、介護記録ソフトの注目度がより一層高まっている。

介護・福祉業務支援ソフトウェア「ほのぼのNEXT」

 こうした中、積水化学の製品技術とNDソフトウェアのソフトウェア技術をシステム連携することとなった。ベッドのマットレスの下に敷いて利用する見守りセンサー「ANSIEL」は、利用者の「入床・体動・起始め・起上り」を検知し、ナースコールやブラウザ、専用アプリ画面に知らせることや、WiFi環境を活用して、専用ブラウザやアプリ経由で「在床状況の一括把握」や、「心拍・呼吸」の情報を入手・記録することができる。

 今回のシステム連携より、「ANSIEL」で検知取得した「起上り」などのイベント履歴や「心拍・呼吸」のデータ情報について、「ほのぼのIoTクラウド」を経由して「ほのぼのNEXT」の介護記録画面に同期できるようになる。迅速なデータの把握、記録漏れ・誤記の防止は管理レベルの向上につながり、利用者の健康維持への貢献が期待される。

 積水化学は今後も、利便性向上、社会課題解決への貢献につながる製品の開発、連携を進めていく。

積水化学工業 新防火区画貫通措置部材を発売、パテ埋めが不要

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2021年10月5日

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーはこのほど、新たな防火区画貫通措置部材「フィブロックNEO」(PF管・ケーブル貫通用)を10月から発売した。開口部のパテ埋め作業が不要となり、防火区画貫通措置の簡単・確実な施工に貢献する。

 建設業界の社会課題として、「人手不足」と「技術伝承不安」が挙げられ、不適合施工への懸念が高まっている。特に建物火災の延焼防止を目的とする防火区画貫通措置においては、より確実な施工と検査が求められる。

 同社は、火災が発生すると瞬時に5~40倍に膨張して断熱層を形成するプラスチック系の耐火材料「フィブロック」で大臣認定を取得し、防火区画貫通措置部材のトップメーカーとして貢献してきた。

 しかし、従来の工法では、区画貫通部の開口部をパテで埋める工程が必要で、手間と時間がかかり、確実な施工には高い技術が求められる。さらにパテ埋め部をシートで覆うため、施工完了時の状態の目視検査が困難だった。

新工法「フィブロックNEO」と従来工法「フィブロック」との比較

 同社は、①簡単・確実施工②目視・確実検査の2つをコンセプトに「フィブロックNEO」を開発。「フィブロック」の膨張機能を継承し、構成する断熱層の強度を上げる事により、従来のパテ埋め工程での補強が不要な新たな工法を実現した。

 これにより施工性が向上するとともに不確実な施工を抑止し、目視のみで確実に施工状態を検査できる。また、パテ埋め作業を不要としたことにより、施工完了後の追加のケーブル配線も容易に作業が可能。さらに目視検査精度の向上により、完工写真データを活用したIoT管理システムと連携も期待できる。

積水化学工業 電子機器向けUV+湿気硬化型接着剤開発

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2020年12月14日

初期の接着力を向上、保圧保持工程を大幅に短縮

 積水化学工業は11日、高機能プラスチックスカンパニーが、今年3月に上市した電子機器の組み立て工程に使用するUV+湿気硬化型接着剤「フォトレックB」の性能を改良したと発表した。すでに一部スマートフォンメーカーに採用されており、今後、各メーカーへの提案活動を強化することで、2022年度までにスマートフォン部品接合用接着剤のシェア15%獲得を目指す。また、海外をメインにウェアラブルや大型テレビといった他デバイスへの展開も視野に入れていく考えだ。

 同日、オンラインによる説明会を開催した。スマートフォンの外装部(筐体とカバーパネル)の接合には、両面テープと接着剤の2種類がほぼ半分ずつを占めている。接着剤では主にポリウレタン系のPURホットメルトが使用されているが、液ダレ処理や保圧治具固定、養生・固定化といった工程必要となり、生産工程の効率化が課題となっていた。

 こうした中、同社は今年3月にUV+湿気硬化型接着剤「フォトレックB」を上市。UV照射で接着力を維持したまま形状を保持することで液ダレが起こらず、また0.4mm幅も対応可能となっており、スマートフォンのトレンドである狭額縁にも適用できる。また、完全硬化後も一定の柔軟性を保っていることから、落下時の衝撃を吸収でき、各部品の破損防止にも貢献する。こうした特長から、顧客からは高い評価を得ていた。

 今回、さらなる性能向上ニーズに対応。原料配合設計の工夫でUV硬化後の初期接着力をさらに改善し、塗布、UV照射後に発現する接着力を短時間化した。これにより、接合部材を貼り合わせしたときの保圧や保持に必要とする時間、治具を短縮・削減することで、従来の10分の1程度まで生産工程の効率化を実現。電子機器の組み立て工程では工場のスマート化が進んでいることから、工程の自動化、少人化に貢献する「フォトレックB」の採用拡大が期待される。なお現在、狭額縁用接着剤の市場(2019年)は71t程度と見られるが、今後は年率10%以上の成長が予測されている。

 同社は中華系スマートフォンメーカーを中心に拡販を図り、2022年に市場シェア15%、さらに数年後にはシェアトップを目指していく考えだ。

フォトレックBのスマートフォンにおける使用部位のイメージ
フォトレックBのスマートフォンにおける使用部位のイメージ

フォトレックBの塗布後の接着力の変化
フォトレックBの塗布後の接着力の変化

 

積水化学 1000mの長尺クラフトテープを本格販売開始

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2020年10月12日

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは、機能テープ事業の主力製品であるクラフト紙を基材としたクラフトテープの長尺品(1000m巻)を今月から本格的に販売開始すると発表した。

クラフトテープ従来品との比較。左から1,000m巻(新製品)、500m巻、50m巻
クラフトテープ従来品との比較。左から1,000m巻(新製品)、500m巻、50m巻

 クラフトテープは、主に段ボール組み立てなどの用途として、食品・物流業界を中心に使用され、業界の標準品としては最長は500m巻だったが、今回業界で初めて1000m巻を標準品として販売する。海洋プラスチック問題を背景に高まるプラスチック使用量低減などの環境配慮ニーズや、通販市場が拡大する食品・物流業界での製造現場の自動化・効率化ニーズに対応していく考えだ。

 クラフト紙を基材とするクラフトテープは、バイオベース率が56%を占め、プラスチックを基材としたOPP(延伸ポリプロピレン)テープと比較して使用プラスチック量の大幅な削減につながる。併せて、石油資源の使用を抑えた材料や生産方法の採用により環境にやさしいテープを実現。同社の汎用OPPテープとの比較では、製品ライフサイクルでの炭酸ガスの発生量を約86%削減する。

 また、長尺のため自動テープ貼り機(製函機・封緘機)へのテープ補充の手間を軽減できることから、現場作業員の業務効率化や現場拘束時間の削減に貢献し、ソーシャルディスタンスを取ることができる環境づくりへの寄与も期待される。テープ幅は38mm(重量約4.3kg)と50mm(同約5.7kg)の2種類をラインアップした。