チッソは24日、2021年3月期第1四半期(4-6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比18%減の304億円、営業利益3000万円(同7億8000万円増)、経常損失3億円(同8億円増)、純損失16億円(同18億円増)となった。
セグメント別に見ると、機能材料(液晶材料など)は売上高同37%減の55億円。液晶材料は、新型コロナの影響による巣ごもり需要からモニター、モバイルなどの中小型用液晶パネル用途の販売が増加したものの、大型テレビや車載用途などの需要が減少したほか、液晶パネルメーカーでの事業の戦略転換による影響を受け、出荷が低調となった。
加工品(繊維製品、肥料など)は売上高2%減の143億円。繊維製品は、国内で除菌シートやマスクなどの新型コロナ対策関連の需要が急速に拡大したことなどから、原綿および不織布の出荷が伸長した。肥料は、施肥作業の省力化が評価されている被覆肥料の出荷は堅調だったが、顧客の在庫調整の影響により化成肥料の出荷が低調だった。
化学品(アルコール、樹脂など)は売上高47%減の34億円。オキソアルコールは、原料ナフサ価格の下落による影響で販売価格が低下したことに加え、生産設備の大型定期修理の実施により出荷が減少した。また、ポリプロピレンは、新型コロナの影響により自動車関連の需要が低下した。
商事事業は売上高31%減の40億円。主力のポリプロピレンの出荷が低調だった。電力事業は62%増の19億円。全13カ所の水力発電所について、FIT活用に向けた改修工事計画を進めており、第1四半期の期間中、4月に8カ所目となる白川発電所の工事が完了し、新たに営業運転を開始した。
その他(エンジニアリングなど)は売上高88%増の14億円。エンジニアリング事業は、石油化学関連設備にかかる手持案件の工事が順調に進捗した。
なお、通期業績予想については、新型コロナウイルス感染症による影響の長期化などにより、現段階では合理的な予想値の算定を行うことは困難であると判断し未定としている。