三菱ケミHD 米国の解析システム開発スタートアップに出資

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2019年7月19日

 三菱ケミカルホールディングスは18日、米国シリコンバレーに設立したCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)子会社のDiamond Edge Ventures(DEV)を通じ、ポリマー合成など化学反応のリアルタイム解析システムを開発するスタートアップであるFluence Analytics(米国ルイジアナ州)に出資したと発表した。

 Fluence Analyticsは、化学反応のオンラインモニタリングシステム「ACOMP」(Automatic Continuous Online Monitoring of Polymerization)などを開発、販売している。

 ACOMPは、反応器から直接サンプル抽出を行い、反応過程のポリマーの物性をリアルタイムに連続モニタリングするシステム。こうして得られる合成反応のリアルタイム情報に、ほかのセンサーなどから得られる運転条件などの情報を合わせて解析・予測し、反応系を最適化していくことで、生産効率の向上、品質の改善を図ることができる。

 また、研究開発の面では、ポリマー化の詳細データの活用により実験数の低減などの効率化や、新規材料の開発に繋げることができると期待されている。

 ACOMPでは、すでに多数のポリマーのモニタリング実績があるが、今後、三菱ケミカルHDは、Fluence Analyticsとさらに幅広いポリマー種への適用についても開発を進め、プラントでの生産効率のさらなる向上を図るとともに、化学産業のIIoT(Industrial Internet of Things)の推進を目指していく。

 三菱ケミカルHDは、昨年7月に米国シリコンバレーにDEVを設立し、同社グループ事業に新たな成長をもたらすテクノロジーやビジネスモデルをもつスタートアップ企業との戦略的パートナーシップを進めているが、今回の出資はその第2号案件となる。

 三菱ケミカルHDは、今後もDEVを通じて、同社グループの事業に新たな成長機会をもたらすスタートアップ企業とのパートナーシップを進めていく考えだ。