ADEKAの連結子会社である日本農薬は17日、2020年3月期決算で「のれんの減損損失」を特損として計上すると発表した。
日本農薬は、世界一の農薬市場であるブラジルでの直販体制確立を目的として2014年に同国の農薬製造販売会社シプカムアグロ(現シプカムニチノーブラジル)の発行済み株式の50%を取得し、2016年より連結子会社化。しかし、同国の競争激化により販売が伸び悩んでおり、期初計画に対して業績見通しが乖離している。これに伴い、今年度にのれんの減損損失として、のれん残高全額17億7900万円を特損に計上する。
なお、シプカムニチノーブラジルは、日本農薬グループの主力剤である園芸用殺虫剤「フェニックス」の販売を開始するほか、その他の自社開発品目の拡販などにより収益性の向上を図っており、買収時の収益計画から遅れているものの、今後、業績は順次進捗する見込みだ。