JXTGホールディングスはこのほど、CHITOSE BIO EVOLUTIONと、藻類バイオマスを広く活用する社会の構築に向けて、藻類バイオマスの培養規模拡大と藻由来の製品開発について協業に関する契約を締結したと発表した。これを機に、JXTGグループとちとせグループは、光合成を活用した低炭素・循環型社会の実現のため様々なバイオ分野で協業していく方針だ。なお、今回の協業に先立ち今年3月末、JXTGはJXTGイノベーションパートナーズを通じ、ちとせに資本参画している。
JXTGグループは、「2040年長期ビジョン」で掲げた「低炭素・循環型社会への貢献」の実現に向けた取り組みを推進。2040年には、自社のCO2排出をカーボンニュートラルにすることを目指し、環境配慮型商品の開発に積極的に取り組んでいる。
一方、ちとせグループは、太陽エネルギーの光合成利用を最大限活用した藻類の大規模培養技術をはじめ、微生物、藻類、動物細胞などの微細な生き物を活用する技術に強みを持つバイオベンチャー。国内のみならず、マレーシア、シンガポールなどの東南アジアで農業や食品、エネルギーなどの幅広い分野で事業を展開している。ただ、藻類バイオマスを広く社会で活用するためには、藻類バイオマスを大規模に安定的に生産し、そのバイオマスを原料とした様々な製品を開発することが大きな課題となっている。
今回の協業では、太陽エネルギーが豊富な赤道直下の東南アジアに位置するマレーシアで、藻類培養の規模拡大に取り組むとともに、そこで生産した藻類を由来とする燃料、ケミカル、飼料、機能性素材などの多様な製品の開発に取り組み、事業化を目指していく。
両社は今後、光合成を活用した低炭素・循環型社会の実現に向けて、藻類事業だけでなく様々なバイオ分野での協業を検討し、社会の発展と活力のある未来づくりに貢献していく。