JNCは15日、子会社のJNCフィルター守山事業所に「CLEAL」CPフィルター生産設備を増設すると発表した。
JNCフィルターは日本国内、欧米でのおう盛な需要増に対応するために、守山事業所のCPフィルター工場に新たに1ラインを増設する。
工事着工は今年8月、運転開始は来年6月を予定。同工場では現在、2ラインが稼働中だが、今回の新ライン増設により約1.5倍の生産能力となる。
「CLEAL」CPフィルターは、塗料・インキや自動車塗装向けなどの産業用途、リチウムイオン電池、CMP材料などの電子材用途などに使用されている。
同製品は、JNCファイバーズで製造しているポリプロピレン/ポリエチレン(PP/PE)の複合繊維で構成される不織布が主原料。
PP/PE複合繊維は加熱により繊維同士が融着し、安定した三次元網目構造を形成する。この特徴により、ろ過中にフィルターの構造変化が起きにくく、ろ過圧が安定することから目詰まりしにくい性能で、塗料など比較的高粘度溶液のろ過に適したフィルターだ。
CPフィルター工場で生産されるフィルターは、CPフィルター、CPHフィルター、GFフィルターの3種類で、新ラインでも3種類のフィルターを生産する。
同社の強みである、ポリオレフィン、原綿、不織布、フィルターの一貫生産体制を生かし、日本国内をはじめ、さらなるグローバル展開を進めていく考えだ。