ポリスチレン 10月から再値上げ、3四半期連続

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2021年9月6日

ベンゼン・ナフサが一段高、早期に採算是正図る

 ポリスチレン(PS)メーカー3社の原料高に対応した値上げが出揃い、10月1日の実施に向けユーザーとの交渉が本格化している。改定幅は、PSジャパン、東洋スチレン、DICとも「12円/kg以上」で打ち出した。PS各社は、原料高を背景に、4月から「28円/kg以上」、7月から「27円/kg」の値上げを実施していたが、

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DIC PSとスチレン系製品を値上げ、原料高に対応

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2021年9月6日

 DICは3日、ポリスチレン(PS)製品およびスチレン系製品について、10月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、「ディックスチレンGPPS」「ハイブランチ」「ディックスチレンHIPS」「エラスチレン」で、改定幅は各製品とも「12円/kg以上」となっている。

 同社は、7月の価格改定でも値上げを実施したが、国産ナフサ、ベンゼン価格はさらに高騰を続け、PSの原料調達価格も上昇している。同社は、引き続き自助努力による吸収を続けてきたが、原材料価格の上昇を吸収することは極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給と事業継続を図るためには値上げが避けられないと判断した。

DIC 海藻由来DHAオイル、仏社と代理店契約を締結

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2021年9月1日

 DICはこのほど、100%子会社のDICライフテックが、仏・ファーメンタルグ社が開発した微細藻類(シゾキトリウム)由来のサプリメント素材である高濃度DHA(ドコサヘキサエン酸)「DHA オリジンズ-510」の取り扱いを開始した。

「DHAオリジンズ-510」

 DHAは魚由来のものが一般的に有名だが、魚のDHAはもともと海に生息する微細藻類が生み出し、食物連鎖で魚に取り込まれたもの。同製品はDHAの起源である藻類に遡って生産されたものであることから、よりピュアなDHAとなる。

藻類由来のDHA

 DICは、40年以上続く食用藍藻類スピルリナ事業で培った藻類培養技術をベースに、ファーメンタルグ社と複数年にわたる包括的な事業協力を進めており、SDGsに対応する機能性素材として同製品の取り扱いを開始した。

 同製品の主な特長として、藻類由来の51%高濃度DHA、サステナブルで安心・安全な素材、ベジタリアンやヴィーガンにも対応可能、臭い低減、美しいオレンジ色、などが挙げられる。

 DICグループは、新事業の柱の1つとしてヘルスケア分野の強化に注力している。社会的なSDGsへの意識の高まりや消費者の健康志向を背景に、今後も同社グループが得意とする藻類培養技術を活用した〝食の安全・安心〟に注力した食品やサプリメントなどの製品開発を進めていく。

DIC 統合報告書を発行、DXや社会貢献製品など紹介

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2021年8月30日

 DICはこのほど、同社グループの事業や財務、サステナビリティ活動についてまとめた「DICレポート2021」(ハイライト版・詳細版)を発行した。今年度の主なハイライトは、気候変動への対応とDXへの取り組み、サステナビリティ指標によるサステナブル製品、新たな社会価値創出に貢献する製品の特集など。

統合報告書「DICレポート2021」を発行
統合報告書「DICレポート2021」を発行

 同社は、世界で約170社のグループ企業とともにサステナブルな社会を実現するため、2050年カーボンニュートラルの実現と、2030年のCO2排出量50%削減(2013年比)という新しい目標を掲げた。加えて、社外取締役によるメッセージと、ESG部門長メッセージを新たに設けてマネジメント・メッセージの充実を図った。

 また、要点を簡潔にまとめたハイライト版と、より詳しい情報やデータを盛り込んだ詳細版を発行。同レポートは、より多くの人にわかりやすく伝える工夫として「カラーユニバーサルデザイン」を採用し、CUD認証を取得するとともに、SDGsの目標と同社グループの取り組みとの関連を、アイコンを使って紹介している。

 環境への配慮から、同レポートの冊子の印刷は、DICグラフィックス社の製品である100%植物油を使用した「環境調和型インキ」で行った。なお、レポートの作成に当たっては、ガイドラインとして「GRIスタンダード」を採用し、ステークホルダーが必要とする情報を提供していくことを心掛けている。

DIC オフセット用印刷インキを値上げ、原料高に対応

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2021年8月27日

 DICは25日、子会社であるDICグラフィックスが、オフセット用印刷インキについて10月18日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、商業オフ輪インキおよび油性枚葉インキが「50~100円/kg」、UVインキが「100~150円/kg」、新聞インキが「30~100円/kg」となっている。

 主原料である顔料、樹脂、植物油、溶剤、光重合開始剤などは、世界的な景気回復に加え、環境対応による生産コストの上昇や各地で起こる天候不順などが影響し、世界規模で需給バランスが崩れ原料価格が高騰している。さらに容器などの副資材価格や物流コストも上昇し続けている。

 こうした中、DICグラフィックスは、銘柄統合と原料調達の見直しを進めるとともに、営業拠点の縮小や工場の統廃合によるダウンサイジングなどの様々なコストダウン策を実施してきたものの、オフセット用印刷インキの需要減少に加え、昨春からのコロナパンデミックによる需要急減により、自助努力だけでは事業運営が厳しい状況にある。同社は、原料価格や物流コストの上昇分を吸収することは極めて困難なことから、事業継続と安定供給のために、今回の値上げを決定した。

 

DIC 不飽和ポリエステル樹脂など値上げ、来月から

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2021年8月19日

 DICは18日、100%子会社であるDICマテリアルが、不飽和ポリエステル樹脂とビニルエステル樹脂について、9月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、不飽和ポリエステル樹脂が「35円/kg以上」、ビニルエステル樹脂が「45円/kg以上」。

 同社は、今年4月に値上を実施したが、原油・国産ナフサ価格のさらなる高騰と原料メーカーからの採算是正に伴い、製品の原材料価格は大幅に上昇している。加えて、物流費、容器費、設備保全などのコスト上昇や一部の原料では供給問題も継続して発生している。

 同社は、各種合理化の推進や、製造コストの低減など自助努力を続けてきたが、原材料価格の上昇を吸収することは極めて困難な状況にあり、今後の安定供給と事業継続を図るためには、価格改定が避けられないと判断した。

DICの1-6月期 高付加価値製品が好調で大幅な増益

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2021年8月11日

 DICは10日、2021年12月期第2四半期(1-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比14%増の3918億円、営業利益53%増の273億円、経常利益82%増の282億円、純利益55%増の160億円となった。

 オンラインによる決算会見の中で、古田修司執行役員・最高財務責任者は「高付加価値製品の出荷が伸び、また化粧品用顔料の需要も回復した。全セグメントで大幅な増益となった」と総括した。

 セグメント別に見ると、

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DIC 天然由来色素の新合成法、米社と共同研究を開始

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2021年7月29日

 DICは28日、食品用着色剤、化粧品用途など天然由来色素の事業拡大を目的として、バイオベンチャー企業のデビュー・バイオテクノロジー社(米国カリフォルニア州)との天然由来色素の新合成法に関する共同研究開発を開始したと発表した。

 近年、食品用着色料や化粧品用途などの分野で、石油由来の合成着色料から安全な天然由来着色料への代替ニーズが急増している。しかし、花や植物といった天然物から抽出される色素などの成分は含有量が少なく、抽出後に廃棄物が大量に発生するといった問題や、多くの土地、水を必要とするといった環境面での課題がある。また使用に当たり、天候不順による供給安定性や色目などの性能が振れるなどの農業特有の問題がある。

 この解決策として、細菌や酵母、藻類などを用いた培養による高効率生産が検討されているが、細胞内の生体反応を用いるため、全ての反応プロセスを最適な条件で行うのが難しく、多くの副生成物が発生するという課題が残る。

 DICと共同研究を行うデビュー社は、生体内で用いられる酵素を細胞から取り出し、最適な条件で反応させることで様々な物質を効率的かつ連続的に製造する「次世代バイオ合成プラットフォーム」を保有。同プラットフォームは生物と同じ酵素を用いるが、細胞を用いない(セルフリー)ため、全ての反応を最適化でき、安定した純度の高い目標物の合成が可能となる。また、従来は含有量が低いために見逃されてきた有効成分を特異的に生産することも期待される。

 研究開発においては、デビュー社の酵素反応に対する高い知見およびプロセスデザインと、DICの顔料やヘルスケア食品などのカラーマテリアル分野で培ったスケールアップ技術、品質管理、製品開発能力を組み合わせることで、従来にないサステナブルで高付加価値な天然由来色素の開発・製品化とグローバル市場での販売を目指す。

DICなど 速硬化炭素繊維強化プリプレグシートを開発

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2021年7月16日

 DIC、セーレン、福井県工業技術センターは15日、世界最速硬化・常温保管を実現した「速硬化炭素繊維強化プリプレグシート」を開発したと発表した。今回、量産プロセスを構築し、セーレンにおいて稼働させた実証機を用いたシートサンプルの提供を7月から開始する。なお、今回のプロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択テーマ「自動車搭載炭素繊維複合材料用高速硬化プリプレグの実用化開発」(2018年7月~2021年6月)において実施された。

新型炭素繊維強化プリプレグシート
新型炭素繊維強化プリプレグシート

 炭素繊維強化プリプレグシートは、炭素繊維の束を広げて樹脂を含浸させたシート状の中間材料。軽量で強度が高く、低燃費・軽量化のニーズが高まる航空機や宇宙船、自動車向けに用途が広がっており、今後さらに拡大すると見込まれている。一方、一般的にプリプレグシートを含めた炭素繊維複合材料(CFRP)の成形加工は時間を要するため、CFRPのさらなる普及には、成形時間を短縮する技術が求められている。

新型炭素繊維強化プリプレグシート加⼯実証機

 今回の開発では、DICが強みをもつ高分子設計テクノロジーを生かした「高速硬化樹脂(最短30秒以下で硬化するラジカル硬化樹脂)」の設計技術と、福井県工業技術センターが保有する繊維束を高速に薄く広げる「空気開繊技術」、セーレンが保有する樹脂成膜・塗工技術を生かした「高精度含浸技術」を組み合わせることで、最短30秒という世界最速レベルの硬化時間のプリプレグシートを実現。また、一般的なエポキシ系のプリプレグシートは、保管時に冷凍・冷蔵倉庫などが必要となるが、同開発品は常温保管が可能で、シート保管の設備と管理の負担も軽減することができる。

 DICとセーレンは、開発した新型プリプレグシートで、自動車分野をはじめ、幅広い産業への展開を検討している。今後、さらなるCFRPの生産性向上により、その普及を促進し、軽量化による低燃費化、省エネルギー化に貢献していく。

 

DIC 可塑剤を値上げ、原料や包装材料費の高騰に対応

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2021年7月16日

 DICは15日、可塑剤について今月26日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、ポリエステル系可塑剤が「25円/kg以上」、エポキシ化大豆油(ESBO)が「30円/kg」、その他エポキシ系可塑剤が「35円/kg以上」、アジピン酸系可塑剤が「22円/kg以上」、トリメリット酸系可塑剤が「23円/kg以上」、特殊可塑剤が「25円/kg以上」となっている。

 原油・ナフサ価格の上昇および需給のひっ迫により可塑剤の主原料である各種酸、植物油、アルコール類の価格が高騰を続けている。さらに、鋼材価格の上昇からドラム・缶の包装材料費も高騰している。同社は、引き続き自助努力による吸収を続けているが、昨今の原料価格および包装材料コストの上昇を吸収することは極めて困難な状況にあることから、今後の事業継続を図るためには値上げが避けられないと判断し、今回の値上げを決定した。