ソルベイ 「Ixef PARA」の丸棒を世界規模で供給

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2019年6月20日

 ベルギーの先端材料・特殊化学会社ソルベイの「Ixefポリアリールアミド(PARA)」の丸棒が、世界規模で供給されるようになった。チャネルパートナーである米国のドレイク・メディカル・プラスティックス(DMP)が提供する。

 高い剛性と強度、生体適合性、軽量を特徴とする医療用グレードの「Ixef PARA」から作られた丸棒は、正確な切削加工が可能で、単回使用の整形外科向け手術用器具の外観プロトタイプを作成できる。

 ソルベイによると、単回使用の医療機器のプロトタイピングには、これまで多大なコストがかかっていたが、「Ixef PARA」を使うことで時間とコストが大幅に削減し、デバイスメーカーは機能特性の検討に集中することができるという。

 射出成形の「Ixef PARA」は、単回使用の整形外科向け手術用器具に、従来のステンレス鋼に匹敵する性能をもたらす。この50%ガラス繊維強化樹脂は、機械的なひずみや応力に耐える優れた剛性・耐クリープ性・強度を備えている。

 同時に、金属に比べて最大450%軽量であるため、医療機器メーカーは、手術用器具キットに含める器具数を増やすことができる。また、滑らかで樹脂分の多い表面となり、ガラス繊維が原因で手術用手袋が破れるリスクがなく、吸水率も低く抑えられる。

 デザインの観点では、グリップが向上する質感など、人間工学的な要素を二次加工の必要なく採り入れることが可能だ。

 ソルベイはDMPとの関係について「医療機器分野のニーズに特化した長期的なパートナーシップを、今後も発展させていく」としている。