三菱ガス化学はこのほど、メタキシレンジアミン(MXDA)の製造子会社「MGC Specialty Chemicals Netherlands」を、オランダ・ロッテルダムに設立すると発表した。生産能力は年産2万5000tで、2024年7月の稼働を予定している。
同社グループは、中期経営計画において「環境変化に強い収益構造への転換」を目指し、事業ポートフォリオ変革を推進。差異化事業に位置づけているMXDA事業については、今後も長期的な成長が期待される市場を見据え、経営資源を積極的に充当することで、競争優位性をさらに高めることを目指している。MXDAは優れた防食性、耐薬品性といった特長をもつことから、主にインフラ向け塗料、コーティング材用途に使用され、長期的に安定した成長が見込まれている。
こうした中、既存用途に加え、風力発電用ブレードの補修材用途でも市場が拡大。2024年までに生産能力の増強が必要となっており、MXDAの最大市場である欧州において、オランダ・ロッテルダム工業地帯に100%出資の製造子会社を設立することを決定した。
同社グループは今回の製造子会社設立により、市場の成長に対してタイムリーな能力増強を行い、さらに拠点の多極化によるBCP(事業継続計画)強化を実現することで、今後も安定的にMXDAを供給していく。