塩ビ工業・環境協会(VEC)など4団体が主催し、「新しい時代をCreateするPVC(塩ビ)製品」をテーマに公募した「PVCアワード2019」の作品展示会が、GOOD DESIGN Marunouchi(東京・千代田区)で行われている。
今回のアワードの最高賞で、塩ビシートの耐候性・防炎性・透明性に着目した準大賞「スカイクリア防炎&『Ziptrak』ロールスクリーンシステム」(アキレス・後藤修斗氏)をはじめ、優秀賞5点、審査員賞2点、入賞4点のほか、応募作品のうち評価の高かった作品を合わせ、計48点を展示。軟質塩ビを中心に、いずれも素材の優れた加工性や着色・印刷性、耐久性といった特性を存分に生かした作品が集められた。
優秀賞の「キャリー・ザ・サン」(ランドポート・傳馬綾氏)は、太陽電池で充電しLEDを点灯させる立方体のランタン。素材に塩ビとPETを使用しており、折り紙のように薄くコンパクトにたためるのが特長。
審査員賞の「heige LS」(AssistMotion・橋本稔氏)は、PVCゲルに電圧を加えると収縮する性質を利用し、それを駆動源にすることで実現した、軽量で安価な、持ち上げ動作を補助する腰サポートウエア。NEDOと信州大学が共同開発し、同大学発のベンチャー・AssistMotionが来年の発売を予定する。
僅差で受賞には届かなかった作品も、独創的なアイデアやデザインが盛り込まれており、思わず足を止め手に取りたくなるほどだ。着色性を効果的に演出したカラフルな作品も多い。「PVC Ribbon」(カラーデザインセンター・奥山泰助氏)は、色とりどりに着色した透明塩ビテープ。手芸用のクラフトテープのように自在に編み込むことでハンドメイドを楽しめる。
「ピュアナガード」(フクビ化学工業)は、子どもたちを危ない角部から守る衝撃吸収性を備えたコーナーガード。保育施設のインテリアに合わせた6色を製品化し、4月の発売を予定する。
17日からの開催以来、平均して日に200人を上回る来場者が訪れるという盛況ぶり。会場では、気に入った作品への投票・アンケートの実施や、塩ビ豆知識をまとめたパンフレットを配布するなど、塩ビの訴求も図っている。PVCの新たな用途を開拓し、さらなる需要喚起のためにも、今後の同アワードの展開と活用に期待したい。26日まで開催。