VECなど 「PVCアワード2019」作品展示会、26日まで丸の内で

, ,

2020年1月23日

準大賞の「スカイクリア防炎&『Ziptrak』ロールシステム」(手前)、マネキンに装着した審査員賞の「heige LS」
準大賞の「スカイクリア防炎&『Ziptrak』ロールシステム」(手前)、マネキンに装着した審査員賞の「heige LS」

 塩ビ工業・環境協会(VEC)など4団体が主催し、「新しい時代をCreateするPVC(塩ビ)製品」をテーマに公募した「PVCアワード2019」の作品展示会が、GOOD DESIGN Marunouchi(東京・千代田区)で行われている。

 今回のアワードの最高賞で、塩ビシートの耐候性・防炎性・透明性に着目した準大賞「スカイクリア防炎&『Ziptrak』ロールスクリーンシステム」(アキレス・後藤修斗氏)をはじめ、優秀賞5点、審査員賞2点、入賞4点のほか、応募作品のうち評価の高かった作品を合わせ、計48点を展示。軟質塩ビを中心に、いずれも素材の優れた加工性や着色・印刷性、耐久性といった特性を存分に生かした作品が集められた。

 優秀賞の「キャリー・ザ・サン」(ランドポート・傳馬綾氏)は、太陽電池で充電しLEDを点灯させる立方体のランタン。素材に塩ビとPETを使用しており、折り紙のように薄くコンパクトにたためるのが特長。

クラフト向けの「PVC Ribbon」
クラフト向けの「PVC Ribbon」

 審査員賞の「heige LS」(AssistMotion・橋本稔氏)は、PVCゲルに電圧を加えると収縮する性質を利用し、それを駆動源にすることで実現した、軽量で安価な、持ち上げ動作を補助する腰サポートウエア。NEDOと信州大学が共同開発し、同大学発のベンチャー・AssistMotionが来年の発売を予定する。

 僅差で受賞には届かなかった作品も、独創的なアイデアやデザインが盛り込まれており、思わず足を止め手に取りたくなるほどだ。着色性を効果的に演出したカラフルな作品も多い。「PVC Ribbon」(カラーデザインセンター・奥山泰助氏)は、色とりどりに着色した透明塩ビテープ。手芸用のクラフトテープのように自在に編み込むことでハンドメイドを楽しめる。

子どもを角部から守る「ピュアナガード」
子どもを角部から守る「ピュアナガード」

 「ピュアナガード」(フクビ化学工業)は、子どもたちを危ない角部から守る衝撃吸収性を備えたコーナーガード。保育施設のインテリアに合わせた6色を製品化し、4月の発売を予定する。

 17日からの開催以来、平均して日に200人を上回る来場者が訪れるという盛況ぶり。会場では、気に入った作品への投票・アンケートの実施や、塩ビ豆知識をまとめたパンフレットを配布するなど、塩ビの訴求も図っている。PVCの新たな用途を開拓し、さらなる需要喚起のためにも、今後の同アワードの展開と活用に期待したい。26日まで開催。

VEC 「PVCアワード2019」受賞製品を決定

, ,

2019年12月26日

 VEC(塩ビ工業・環境協会)は、初の開催となったPVC(塩化ビ樹脂)製品のコンテスト「PVCアワード2019」の受賞製品を決定した。

準大賞のアキレス「スカイクリア防炎&Ziptrakロールスクリーンシステム」
準大賞のアキレス「スカイクリア防炎&Ziptrakロールスクリーンシステム」

 同コンテストは、PVC素材の優れた加工性・印刷性・耐久性・耐摩耗性・リサイクル性などを生かし、生活や社会のニーズに応えるソリューションを新しい時代に展開していくことを目指している。

 今回のテーマは〝新しい時代をCreateするPVC製品〟とした。販売開始後5年以内の製品と、これから商品化する製品を対象に公募し、全国から115点の製品が寄せられた。

 11月29日に審査会を開催。応募テーマとの合致性のほか、製品の市場性・機能性・独創性・環境性の5項目を審査基準とし、芝浦工業大学デザイン工学部の橋田規子教授、日刊工業新聞社の山本佳世子論説委員・編集委員、VECの宮島正紀副会長(信越化学工業常務取締役)ら6人の審査員により、準大賞以下、計12点の受賞製品を決定した(大賞は該当製品なし)。

 準大賞に選ばれたのは「スカイクリア防炎&Ziptrakロールスクリーンシステム」(受賞者:アキレス・後藤修斗さん)。「スカイクリア防炎」は、優れた耐候性・防炎性・透明性を持った屋外間仕切り用フィルム。専用フレームの「Ziptrakロールスクリーンシステム」と合わせて使用することで、より快適な屋外空間を作り出せる。

 優秀賞には家畜感染被害の拡散防止を目的に開発された長靴、水の動きで体幹を刺激する新感覚のトレーニンググッズなど5点、審査員賞には、心臓マッサージ時に女性のプライバシーを守るシートを開発した高校生の作品など2点、入賞は4点が選ばれた。

 上位賞には、アウトドアや防災、健康づくり、食品衛生に関連した、昨今のトレンドや要望に対応した製品が多い。審査に当たった橋田教授は、「改めて塩ビ素材の優秀さを感じた」と、塩ビが持つ多様な用途に関心が高まったとし、次回に向け「大賞に相応しい、アッと驚くような魅力的な応募」への期待を寄せた。

 なお、表彰式は来年1月10日に如水会館(東京・千代田区)で行わる。受賞製品をはじめ応募製品は、同月17~26日に「GOOD DESIGN Marunouchi」(東京・千代田区)で展示される。