三菱ケミカル 漁網からの再生ナイロン、糸として販売を開始

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2021年11月11日

 三菱ケミカルは10日、サーキュラーエコノミー(循環型経済)やSDGs実現に貢献する取り組みとして、廃棄された漁網由来の再生ナイロン樹脂を混合した新しいナイロン糸「KILAVIS RC(キラビス アールシー)」を開発し、量産体制を整えたと発表した。

廃漁網からナイロン糸へリサイクル

 「キラビス アールシー」は、廃漁網から再生したリファインバースのナイロン樹脂「リアミド」を、三菱ケミカルのナイロン糸「キラビス」に特殊紡糸技術を用いて混合した新しいナイロン糸。日本で発生した廃棄物を日本国内で再利用する〝地産地消〟を促進することで、製品のアップサイクルとCO2排出量削減に貢献していく。

 また、「キラビス アールシー」は、国内生産のため安定供給が可能であり、原着(原料段階で着色)することで染色工程が不要となるため排水の問題が解消されるとともに、使用する水・電気などのエネルギーを削減できる。ナイロン繊維の特長である 優れた摩擦堅牢度をもち、さらに長繊維であるため遊び毛の発生も少なく、カーペットとして使用した場合の掃除も簡単になる。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略のもと、サーキュラーエコノミーの推進を KAITEKI実現のキーエレメントと位置付け、製品などのリサイクルはその重要な取り組みの一つと捉えている。今後も、自社だけでなく顧客における使用時のリサイクルにも配慮した製品設計を進めることで、SDGsの達成や持続可能な社会の実現に貢献していく。