BASFとトヨタ自動車の北米研究開発部門TMNA R&Dはこのほど、今年後半から発売予定の2021年の新型「シエナ」の軽量化に成功したと発表した。3列シートの質量低減による車両軽量化により、市販自動車軽量化の功績と技術を対象としたAltair Enlighten Awardsを受賞した。
シートの樹脂部品には金属補強が必要で、旧モデルの3列シートには15点もの鋼製部品を使用しており、非常に重くコストもかかっていたが、両社の協働による軽量化で、すべての性能基準を満たし、軽量で価格競争力のあるものになった。
新型モデルの3列シートは、複雑でコストのかかる後処理を必要としない一体成形の射出成形部品で、35%ガラス繊維強化ポリアミドPA6「Ultramid(ウルトラミッド)B3ZG7CR」を使い、CAE(コンピュータ支援エンジニアリング)ツール「ULTRASIM(ウルトラシム)」による様々な開発フェーズでの正確なCAEシミュレーションを活用して実現。
シートバックとしては初の一体射出成形部品だ。高い伸長性と耐衝撃性を確保し、座面をラゲージスペースとして使用するための強度と剛性も重視。これにより製造コスト15%削減とシート質量30%削減を達成した。