UBE、CPL12月契約価格、前月比100ドル安

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2022年12月28日

ベンゼン安が影響、中国市況の低迷も下押し要因

 UBEは、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、12月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比100ドル安の1650ドルで決着した。原料であるベンゼン市況が大きく軟化しており、CPLも連れ安となっている。スプレッドについては、ベンゼンの下げ幅をカバーできず、15ドル縮小の840ドルに悪化した。UBEにとっては、需要悪化で販売数量が伸びていないことや、ユーティリティコストや物流費などが上昇していることもあり、800ドル台の水準では収益的に厳しいと言える。

 契約価格が弱含んでいる要因として、安価な中国チップがアジア市場に定着したことが挙げられる。中国ではゼロコロナ政策により景気が悪化。ナイロン樹脂やナイロン糸の需要が低迷していることもあり、CPL市況がアジア価格よりも低水準となっている。それを安価なチップとして輸出しているため、台湾チップのシェアが奪われており、価格交渉の重荷になっている状況だ。

 中国市況を見ると、SINOPECは、11月(下旬決め)のCPL契約価格を、前月比24ドル安(200人民元安)の1435ドル(1万2600人民元)で決着。これで、4ヵ月連続で1万3000人民元台を下回った。さらに12月の公示価格も、値差が広がったスポット価格に合わせて、1万1700人民元と大幅に引き下げたようだ。

 中国のナイロンチェーンの稼働率(12月3週目までの平均)を見ると、CPLは72%と前月から3ポイント上昇した。減産や停止の動きが見られるものの、長期の稼働調整は雇用問題などで地方政府に睨まれるという事情があり、稼働率70%割れになると、無理に稼働させるケースがあるという。ただ、ナイロンチップは64%(高速紡糸用70%弱、汎用グレード60%)の同5ポイント低下、ヤーン(糸)も64%の同9ポイント低下となっており、川下製品は一段と需要が低迷。CPLだけが70%稼働を維持していることで、需給バランスが崩れており、ナイロンチェーン全体の市況が改善されない要因となっている。

 UBEは来年1月の契約について、ベンゼン市況の軟化が一服してきたことから、ステイでの決着を目指すという。ただ、中国ではゼロコロナ政策の緩和により感染者が急増。節目である旧正月明けに好転するとの期待がしぼみつつあり、価格交渉の難航も想定される。

 こうした状況を踏まえ、台湾大手CPLメーカーであるCPDCは、春の定修時から1工場の停止を継続。さらに、もう1工場も11月末に稼働を停止し、在庫販売に切り替えたもよう。仮に、CPDCの稼働調整が長引けば需給が締まってくることも想定され、UBEの交渉にプラスに働く可能性もあると見られる。

 なお、UBEの3工場については、宇部工場は秋の定修が明けたことから、フル稼働で在庫を積み増している。スペイン工場は、欧州の経済環境を反映し70%稼働を継続。ただ、欧州では経済の混乱から稼働を停止する工場も多く、こうした顧客を集めることで売り先を補確保しているという。タイは、定修を延長して稼働を抑えていたが、11月末に再開した。ただCPL、副生品の硫安とも需要が戻っておらず、当面は80%程度の稼働を計画している。

UBE スペイン子会社がISCC PLUS認証を取得

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2022年12月2日

 UBEはこのほど、スペインの連結子会社UCE(UBE Corporation Europe)が、持続可能な製品の国際的な認証制度の1つであるISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)を、同社グループで初めて取得したと発表した。

 同認証を

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UBE APICの取得完了、CDMOで存在感を発揮

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2022年12月2日

 UBEは1日、三菱ケミカルグループの生命科学インスティテュートが保有する「エーピーアイコーポレーション」(APIC)の全株式の取得が同日完了したと発表した。

取得したエーピーアイコーポレーションの吉富事業所

 今後、

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UBE CPL11月の契約価格、前月並みで決着

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2022年11月30日

スプレッド改善も、旧正月明けまで反転見込めず

 UBEは、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、11月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月並みの1750ドル/tで決着した。7月の2190ドルをピークに、8~10月の3ヵ月で440ドルも下落していたが、ここにきてようやく下げ止まっている。

 スプレッドについても、

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UBEの4-9月期 セメント事業の損益悪化で減益に

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2022年11月7日

 UBEは4日、2023年3月期第2四半期(4-9月期)連結業績を発表した。売上高は前年同期比20%減の2448億円、営業利益55%減の85億円、経常損失18億円(同197億円減)、純損失3億(同99億円減)となった。

 同日開催の電話会見の中で、藤井正幸取締役常務執行役員CFOは

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UBE 業績予想を下方修正、ナイロンチェーンが不振

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2022年10月31日

 UBEは28日、2023年3月期通期業績について前回予想を修正すると発表した。売上高5470億円(前回予想比100億円減)、営業利益290億円(同30億円減)、経常利益45億円(同125億円減)、純利益20億円(同130億円減)を見込む。

 上期(4―9月期)において、

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UBE 人事(2022年10月1日)

2022年10月5日

[UBE・人事](1日)▽生産・技術本部ものづくり技術研修センター長光井洋人▽同本部宇部ケミカル工場宇部医薬品工場長兼医薬事業部生産・技術統括部長星野健治▽知的財産部副部長藤田敏行。

UBE 組織改正(2022年10月1日)

2022年10月4日

[UBE/組織改正](1日)【生産・技術本部】▽「総務管理部人材育成チーム」を廃止し、「ものづくり技術研修センター」を新設する。