韓国LGグループの関連会社であるLGイノテックはこのほど、熱画像赤外線カメラモジュール事業を本格的に推進すると発表した。世界1位のスマートフォンカメラモジュール事業の技術力と成功ノウハウを生かし、ベンチャー企業との連携により早期にビジネス基盤を固める方針だ。
熱画像カメラとは、物体が放出する遠赤外線のうち、8~14µmの波長領域にある熱エネルギーを検知して画像化するもの。照明や天気に関係なく物体の形と位置を把握することができて有用だが、高価なため軍事用途や産業安全などの特殊分野で主に使われている。
同社は熱画像カメラモジュールの開発に向け、センサーやモジュール設計、生産工程など核心技術の内製化を推進している。特に熱画像センサー開発では、競争力のある韓国のベンチャー企業との協業を拡大しており、最近ではTRUWIN社と次世代の熱画像イメージセンサーの共同開発を始めた。
センサー専門企業であるTRUWIN社は、赤外線イメージセンサーの基幹技術を持ち、イメージセンサー製造で重要な高速蒸着と新素材加工技術で高く評価されている。一方、LGイノテックは、世界のスマートフォンカメラモジュール市場で七年連続一位のシェアを持つ。
熱画像カメラモジュールの構造や生産工程は、スマートフォンカメラモジュールとの類似点も多く、これまでに培ったノウハウを活用し、熱画像カメラモジュールの市場を拡大していく考えだ。
市場調査会社のYole Developpment社によると、熱画像カメラのグローバル市場は、今年の33億2500万ドルから、2022年には43億8500万ドル規模に成長する見通し。LGイノテックのパク・ジョンソク社長は「より多くの分野で積極的に採用されるよう、競争力のある熱画像カメラモジュールを作っていく」と述べている。
来年の下半期には差別化した製品を公開する予定。熱検知・画像処理性能と価格競争力を大幅に向上させた熱画像カメラモジュールで、軍事などの特殊市場から家電や自動車、ドローンなど一般市場への転換と拡大を推進し、新たな市場開拓を図る。