東海カーボンは14日、2018年12月期第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比107%増の1554億円、営業利益587%増の520億円、経常利益500%増の528億円、純利益599%増の594億円となった。
売上高は、新規獲得した黒鉛電極の北米拠点が昨年11月より貢献し、6月からはファインカーボンの韓国拠点、9月からはカーボンブラックの北米拠点が連結対象となり数量増に寄与した。営業利益は、3事業での新拠点獲得に加え、黒鉛電極などのマージン改善により前年同期を大幅に上回った。
セグメント別で見ると、黒鉛電極事業部門は、売上高365%増の692億円、営業利益は大幅増の381億円(前年同期比374億円増)。世界的な電炉鋼生産の回復や中国の電炉鋼シフト、主要原材料のひっ迫があり、黒鉛電極の需給タイト感が継続し、大幅な増収増益となった。
カーボンブラック事業部門は売上高39%増の490億円、営業利益47%増の78億円。カーボンブラックの世界需給の引き締まりや、中国の環境規制強化による中国メーカーの減速、タイヤメーカーからの高品質品への引き合いが活発化し、増収増益となった。
ファインカーボン事業部門は、売上高65%増の175億円、営業利益307%増の40億円。対面業界である半導体、一般産業用市場が堅調に推移する中、売価改善が大きく寄与し増収増益となった。
工業炉及び関連製品事業部門は、売上高83%増の80億円、営業利益150%増の20億円。自動車向けMLCC(積層セラミックコンデンサ)、LIB市場向けなどの工業炉販売が好調に推移し増収増益となった。
その他事業部門は、売上高19%増の116億円、営業利益43%増の9億円。摩擦材は建設・産業機械向けの需要増により増収。LIB負極材は、車載向け販売数量増により増収。全体として増収増益となった。なお、通期の業績予想については、売上高、営業利益、経常利益を前回発表の数値から上方修正した。