新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、太陽光発電システムを搭載した自動車を含む、太陽光発電の輸送分野での普及に向けた国際的な調査活動「IEA PVPS Task17『PV and Transport』」を開始した。
同活動は国際研究協力プログラム「IEA PVPS」の新たな研究テーマとしてNEDOが提案し、承認されたもの。輸送分野での太陽光発電の利用拡大を目指して、太陽光発電システムを自動車に搭載した場合の効果や、その実現のために太陽光発電に要求される仕様などについて、国際的に調査を行っていく。
IEA PVPSは「太陽光発電システムが持続可能なエネルギーシステムとして国際協力を推進すること」を使命とする活動。その活動の中でPV and Transportをテーマとして、運営責任者である早稲田大学の廣田寿男客員教授を中心に調査を進め、2020年度末までの活動期間中に成果レポートを作成し、公表する予定だ。
NEDOは廣田客員教授と連携し、同テーマについて国内委員会での議論の結果を国際調査活動向けに発信するとともに、国際調査の結果を国内委員会の議論に反映し、太陽光発電の輸送分野での普及を強力に推進していく。
その活動の着実な一歩として、10月12日にスイスのベルン大学でキックオフミーティングを開催し、本格的に活動を開始した。同ミーティングには、すでに正式参加を決めていた日本、ドイツ、オーストラリアのほか、オランダ、フランス、スイス、モロッコを加えた計7カ国が参加し、活動計画書の具体化や各国の役割分担について議論した。
今後は太陽光発電システム搭載自動車のCO2排出量削減効果やユーザーが得られる利便性、その実現のために太陽光発電に要求される仕様などについて、国際的に調査を行っていく。
自動車などへの太陽光発電システムの搭載については、電動化への貢献の期待とともに世界各国でも熱心にその取り組みが進められており、同テーマへの参加国は今後も増え、さらに有意義な議論と連携が期待されている。