帝人フロンティア 20春夏向けに着用快適性を追求した新素材を開発

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2018年11月30日

 帝人フロンティアは29日、新素材「デルタSLX」を開発したと発表した。独自のストレッチ性能による理想的な着圧感、天然素材のような新しい風合いと外観を兼ね備え、着用快適性を追求した。

 2020年春夏向けスポーツウェア用の重点プロモーション素材と位置付け、今後、スポーツ向けを中心として幅広い用途に展開し、積極的に拡販を図る。

 新製品は既存の高バランス素材「デルタ」の特殊マイクロクリンプの技術と、「ソロテックス」のコイル状にクリンプさせるコンジュゲート技術を複合させることで、優れた着圧感と吸汗速乾性、軽量嵩高性を実現した。

 また、繊維のクリンプとランダムな配置を保つ編物・織物設計、染色加工技術を開発することにより、天然素材調の風合いと外観を持たせた。

 近年、スポーツウェア市場のトレンドが、アスリート向けの高機能アスレチックウェアから、アスレジャー志向のスポーツウェアヘと変化している。これに伴い、優れた機能性と、タウンウェアとしても着用できる、天然素材調のナチュラルな質感を兼ね備えた商品に対するニーズが高まっている。

 この市場変化に対し、同社ではこれまで「デルタ」シリーズをはじめとする、緻密で均一なクリンプのある生地で機能性や風合いを追求してきた。しかし、それでは天然素材調の質感を得ることができず、市場ニーズに応えることができていなかった。

 そこで、同社は異なるクリンプをもつ2種類の繊維をランダムに配置した、新しい構造の加工糸を開発。ソフトで密度感のある織編物構造とすることで、理想的な着圧感、天然素材のような風合いと外観を両立させることができた。

 今後はスポーツ用途をはじめ、ファッション用途、学生服・ユニフォームなどの機能性衣料用途などへと幅広く用途展開し、積極的に拡販。初年度(2019年度)に10万m、2020年度に50万m、2021年度には100万mの販売を目指す。