帝人フロンティア 超極細繊維を使用の遮熱スポーツキャップを開発

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2019年6月7日

 帝人フロンティアはこのほど、超極細繊維「ナノフロント」を使用した、遮熱性に優れるスポーツキャップ「エアピーク・プロ」を、ビルマテルと共同で開発したと発表した。

 造園土木工事や造園用資材、衣料品の販売などを手がけるビルマテルが、8日からインターネット通販サイトのアマゾンで先行販売を開始する。

 「ナノフロント」を使用した生地は、微細で高密度な構造となっていることから、通常の繊維を用いた生地に比べ、太陽光の中で熱を伝える近赤外線を反射する効果が高いという特徴がある。このため、「エアピーク・プロ」は、従来品である「エアピーク」よりも帽子内の温度上昇を抑制する効果が高く、一般的なスポーツキャップに比べ、帽子内部の温度上昇を約13.5℃抑制する。

 また、ゴムひもによってサイズ調整が可能なので着用感に優れ、ゴムひもや帽子に付けたブランドロゴに反射材が含まれていることから、夜間の視認性にも優れている。さらに、ツバの裏面はダークグレーなので、太陽光の照り返しを抑え、まぶしさを軽減する。

 ビルマテルは2017年から自社開発したスポーツキャップ「エアピーク」を販売。この製品は帽子のツバと頭頂部、側頭部に通気口があることから、帽子内部の換気機能に優れ、一般的な帽子に比べ帽子内の温度や湿度を低減させることができる。しかし、市場では近年の気候変動から、夏場の暑さ対策として帽子内部の温度を、より一層低下させる製品が求められている。

 こうした中、ビルマテルは帝人フロンティアと共同で検討を重ね、従来品である「エアピーク」に「ナノフロント」を使用し、「エアピーク・プロ」の開発に成功した。「ナノフロント」がスポーツ向け帽子に使用されるのは初めて。

 「エアピーク・プロ」の素材はポリエステル100%、色は白、サイズはフリー(55~60cmで調整可能)。標準価格は5800円(税別)で、今年度の販売目標は1000万円、来年度は2000万円。

アイ-コンポロジー 海洋生分解性複合プラ開発、基本技術を提供

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2019年6月6日

 ポリマー複合材ベンチャーのアイ-コンポロジー(東京都品川区)はこのほど、海洋で生分解するプラスチック複合材を開発した。

 海洋のプラスチック汚染が世界的に問題となっている中で、バイオマスフィラーと海洋生分解性樹脂との複合化により、課題であったコスト低減や物性調整が可能となる製造法を把握した。基本技術は取り組みを希望する企業に提供し、日本の素材産業底上げへの寄与を目指す。

 同社は「成形性の優れた次世代先進ウッドプラスチック複合材(i‐WPC)」を製造販売し、真空成形やブロー成形にも成功している。そのほかにも、セルロースナノファイバー複合材を作るなど、ユニークな複合材料の開発を得意としている。一昨年から生分解性複合材料の開発を手掛けており、とりわけ海洋生分解性材料の試作に注力していた。

 なお、海洋生分解性複合プラをはじめとしたバイオマスプラスチックのサンプルは、12~13日に都内で開催の「プラスチック成形加工学会年次大会」の展示ブースで展示される。

三菱ケミカル バイオエンプラが温浴施設用照明セードに採用

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2019年6月4日

 三菱ケミカルは3日、同社のバイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」が、コイズミ照明の温浴施設用照明セードに採用されたと発表した。先月から販売を開始している。

 照明セードにはガラスのほか、エンプラなどが使われてきたが、ガラスは割れた際に飛散の危険性があることや、エンプラは耐候性が弱く変色しやすいことなど、それぞれ課題があった。

 「デュラビオ」は再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性・耐候性などの点で、従来の一般的なエンプラに勝る、優れた性能を有している。

 三菱ケミカルは今回、これらの特徴をもちながら、光を拡散することのできる、照明セードに適したグレードの開発に成功した。加えて、新洸化成がもつインジェクションブロー成形技術と組み合わせることで、コイズミ照明の照明セードとしての採用を実現した。屋内外の温浴施設だけでなく、耐久性を必要とする他の照明用途への展開が見込まれる。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後も「デュラビオ」をはじめとする植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、環境にやさしく付加価値の高い製品の供給を通じ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。

 

東レ 5G向け電子部品に適した低誘電損失PI材料開発

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2019年6月3日

 東レはこのほど、大容量データの高速安定通信技術として普及しつつある5G通信や、自動運転などに用いられるミリ波レーダー向け電子部品に適したポリイミド(PI)材料を開発した。

 5G通信やミリ波レーダーには、従来から使用されている6GHz以下の周波数バンドに加え、ミリ波領域といわれる20GHz以上の新たな周波数帯での通信が必要。この技術の実用化には、高い周波数帯域での通信に適した誘電特性と、半導体実装に耐えられる耐熱性、銅配線との接着性などの物性値を満たす材料開発が求められる。

 フッ素樹脂系やビスマレイミド系などの既存材料は、半導体・電子部品に必要な主要物性値に課題があり、従来のPIは誘電特性に課題があった。高周波において誘電損失を低下させるには、高分子構造において分極を小さくすること(誘電率に対応)と、分極の動きを抑えること(tanδに対応)がカギとなる。

 同社は、長年蓄積してきた機能性PI設計技術を駆使し、精緻な分子設計と極限追求により、電気エネルギーの損失を0.001(20GHz)に抑える低誘電損失PIの開発に成功。LCPなど誘電特性の高い樹脂と比べても高耐熱性、機械物性、接着性の面で優位性があり、また低コスト化も実現した。

 現在、同材料をベースに、感光性付与、シート化などの開発を推進。同材料の適用により電気エネルギーの損失を抑え、大容量データの高速通信安定化や、ミリ波レーダーの距離測定性能向上、部品の小型化などが可能となる。

 同社は、5G通信時代に適した各種樹脂を事業化しており、今回開発した材料を新たにラインアップに加え、次世代の通信技術を支える半導体デバイス、電子部品などでの採用を図っていく。

 なお、新規開発品は滋賀事業場の既存設備で生産を行い、今後、増産や新たなプロセスが必要となれば設備投資を行う予定。事業規模については、5G通信が2020~21年頃に本格化すると見られることから、2022年度に売上高10億~30億円程度を目指していく考えだ。

帝人フロンティア 半導体製造向け超極細繊維の研磨パッドを開発

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2019年5月28日

 帝人フロンティアはこのほど、半導体用シリコンウエハーの製造で、品質の安定とコスト削減の両立を実現する、超極細繊維「ナノフロント」を使用した研磨パッドを開発したと発表した。半導体メーカーとフラットパネルディスプレイメーカーをターゲットとして、今年度中に販売を開始し、2025年度に売上10億円を目指す。

 同社が開発した研磨パッドは、「柔軟性」と「吸水性」のあるポリマーを原料として製造した「ナノフロント」製不織布に、ポリウレタン樹脂を含浸させたもので、多くの特長をもつ。

 ①パッド部分に使用した「ナノフロント」は表面に吸水性があり、繊維間の空隙数が多いことから、パッド表面が砥粒(研磨材の粒子)の付着性と砥粒研磨液の保持性に優れる。

 ②これにより、研磨液の砥粒濃度を下げても、パッドに高い密度で砥粒が付着するため、充分な研磨効率を発揮する。

 ③「ナノフロント」の柔軟性により、シリコンウエハーの鏡面仕上げも同時に行える。

 ④「ナノフロント」を使用した不織布は表面積が非常に広く、液中の砥粒の凝集を抑制する効果があり、研磨品質の安定化に寄与する。

 開発の背景には、近年のスマートフォンやEVなどの普及に伴う半導体の高性能化や低価格化があり、シリコンウエハー製造での品質の安定とコスト削減のニーズが高まっている。

 また、シリコンウエハーに求められる表面の平坦性や鏡面性といった品質特性を発現させるためには、異なる硬度のパッドを使用した研磨作業が必要で、そのために工程が複数にわたらざるを得なかった。

 加えて、シリコンウエハーの製造に使用する砥粒の研磨液が製造コストの中で大きな割合を占めることから、研磨品質を維持しつつ、砥粒研磨液の使用量を削減することが課題となっている。

 同社は今後、さらに「ナノフロント」のポリマーの種類や、ポリウレタンの含浸技術、研磨液との相乗効果などに着目しながら、さまざまな市場ニーズへの対応を目指し、研磨パッドの製品バリエーションを拡大していく。

 

昭和電工 寒冷地でも施工可能なコンクリート構築物修復材を開発

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2019年5月24日

 昭和電工は23日、寒冷地などの低温環境下でもコンクリート製の各種インフラ構築物の補修施工が可能な修復材「ショウリペア CR‐1000シリーズ」「リポキシ CR‐1500シリーズ」を開発したと発表した。

 高度成長期に建設されたインフラ施設は老朽化が進み、建て替えや補修の必要性が高まっている。建て替えは高コストであるため補修のニーズが高いものの、既存の修復材は、低温環境下で各種コンクリート構築物を補修する際は施工後にヒーターで加熱する特別な養生が必要で、寒冷地では冬期の補修作業が困難になる課題があった。

 今回開発した修復材は、いずれも氷点下でも施工後の給熱養生が不要で、既存品の3分の1以下の24時間以内に通常使用できるレベルまで硬化するため、寒冷地での冬期施工、工事期間の短縮による工事費用の削減や、施工箇所の早期解放による利便性の早期回復が期待できる。現在、岩手県遠野市と同市内の建設会社である栄組の協力を得て、同開発品の橋梁補修での有効性を確認する実証実験を実施している。

 同社グループは、すべてのステークホルダーを満足させるという経営理念のもと、「事業活動を通じたSDGs課題解決への貢献」を中核課題の1つに掲げてCSR活動を推進。同開発品はSDGs目標「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献する。

 今後も社会的価値の高い事業・技術開発を推進してさまざまな課題の解決に取り組み、グループ一丸で豊かさと持続性が調和する社会の創造に貢献していく。なお、これらの開発品は6月5~6日に開催される「建設技術公開EE東北’19」で紹介する(昭和電工ブース:B‐65)。

帝人ファーマ 酸素濃縮装置を上市、多様な新機能搭載

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2019年5月8日

 帝人ファーマはこのほど、患者の酸素吸入の有無が確認可能となる呼吸検知機能をはじめ、さまざまな新機能を搭載した酸素濃縮装置「ハイサンソi」を上市した。

 患者の利便性を第一に設計したことで、従来の装置に比べて小型・軽量化、静音化を実現しただけでなく、装置本体のフィルターの手入れが不要となった。さらに、省電力化により電気代の負担軽減も期待でき、処方酸素流量についても、低流量(0.25ℓ/分)から高流量(5.00ℓ/分)まで、一台で幅広く対応することができる。

 また、新たに呼吸検知機能を搭載したことで、これまでの装置の運転状況に加え、カニューラを通して、患者が酸素濃縮装置から酸素を吸入していることが確認可能。これらのデータを、医療機関が装置の運転状況をモニタリングできるシステム「HOT見守り番Web」と連携させることで、医療関係者が患者の自宅での療養状況を確認できるようになった。現在、国内で在宅酸素療法を受けている患者は増加傾向にあり、今後高齢化が進む中で、さらに患者の数が増えることが予想されている。

 一方、酸素濃縮装置を使用するにあたり、日常の手入れなどの負担が原因で治療を継続できなくなるケースも少なくないことから、装置の機能強化や利便性の向上などにより、療養時の負担を軽減するニーズが高まっている。

 同社は「ハイサンソi」が患者の療養時の負担軽減や治療の継続につながることを期待し、在宅酸素療法のさらなる支援に注力する。また、今後もIoT基盤の構築を図り、革新的な在宅医療関連製品・サービスの開発を推進することで、患者のQOL向上に貢献していく。

カネカ 5G対応部材向けの超耐熱ポリイミドフィルムを開発

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2019年5月8日

 カネカはこのほど、5G高速高周波対応の超耐熱ポリイミド(PI)フィルム「ピクシオ SR」を開発したと発表した。今年発売の5G対応スマートフォンのフレキシブプリント回路基板用部材に採用が決定している。

超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオSR」
超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオSR」

 5Gは2020年に本格的に実用化され、2023年には5G対応機種がスマートフォン生産台数の約3割を占めると推定されている。そのため高周波帯での伝送損失が低い回路基板のニーズはますます高まっていくことが見込まれる。

 「ピクシオ SR」は、独自のポリイミド分子設計技術によって5Gの高周波帯に対応する低伝送損失を実現するとともに、銅箔との接着面に熱可塑性ポリイミド層を用いることで優れた加工性を持つ製品。デジタルデバイスの高機能化を支える製品として販売を拡大し、2023年に売上高150億円を目指す。今後、5Gの急速な普及に伴い、通信システムを支えるポリイミド材料のさらなる需要拡大が見込まれる。

 同社は、超耐熱ポリイミドフィルムに加え、フレキシブルディスプレイ用透明ポリイミドフィルム、TFT基盤向けポリイミドワニス、超高熱伝導グラファイトシートなどの開発に注力しており、IoT/AI時代の実現に向けて各種ポリイミド製品でさまざまなソリューションを提供していく。

 

帝人 マキタと共同開発のファンジャケットが販売好調

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2019年5月8日

 帝人が昨年から展開をはじめた、内圧式ファンジャケットが好調だ。今年はさらに新たなデザインを加え、ラインアップを拡充している。同社が電動工具メーカーのマキタと共同開発したファンジャケットは、二層構造の生地の間に外気を取り込み、ジャケット全体に空気を循環させる内圧式クーリング構造を採用し、従来にはないベストタイプのデザインを実現したもの。

 今年は同製品に加え、ユーザーの使用場面に合わせ、袖の部分の取り外しが可能な2WAYタイプと、全身に風が流れるツナギタイプの2種類を新たに開発。ポケット内でバッテリ操作ができるように、ジャケットの内側から左右ポケットに電源ケーブルを通せる方式にした。

 また、迷彩柄などのカラーバリエーションを増やすとともに、5L~7Lの大型サイズをラインアップ。さらにフルハーネス安全帯や草刈り機などの使用に対応したタイプなど、より使用者のニーズに合わせた仕様を取り揃えた。

 今年は、デサントジャパンからスポーツアパレル分野に向けて販売開始されるほか、ユニフォーム分野でも、物流・建設業の池田興業をはじめとして採用が拡大しており、同社は今年、昨年比四倍以上の販売を見込んでいる。

 帝人は働き方改革の一環として、各企業の労働環境の改善に向けて今後も労働現場のニーズを追求し、未来の社会を支えるソリューション提供に取り組んでいく。

 

東レ 環境低負荷と高撥水性能を両立した新素材を開発

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2019年4月24日

 東レはこのほど、環境低負荷な撥水剤を使用しながらも、高い撥水性能をもつテキスタイル「ナノスリットナイロン」を開発したと発表した。

「ナノスリットナイロン」の原糸断面
「ナノスリットナイロン」の原糸断面

 同素材には、同社独自の複合紡糸技術「ナノデザイン」により実現した特殊な微細スリットをもつ原糸を使用。この原糸構造によって形成するテキスタイル表面の微細な凹凸と、スリット内部に形成された撥水層により高い撥水性能を付与することに成功した。

 同社は、「ナノスリットナイロン」を防水透湿素材「エントラント」や「ダーミザクス」をはじめ、各種テキスタイルブランドの素材バリエーションとして、2020年秋冬シーズン向けから展開を開始する。

 高い撥水性能を生かし、アウトドアやスキーなどのアクティブスポーツ向けのアウターから、ファッション性と機能性が求められるアスレジャー用途のアウター、スイムウェア向けなどに販売していく。2020年度に20万m、2025年度には100万mの販売を目指す。

 従来の撥水テキスタイルに使用されるフッ素系撥水剤は、化学構造の安定性から自然界で分解されにくく、人体への蓄積や自然環境への残留が懸念されるPFOA(パーフルオロオクタン酸)が含まれている。昨今は、環境意識の高まりから、特にスポーツ分野では、PFOAを含まない環境低負荷の撥水剤を用いた素材へのニーズが高まっている。

 しかし、PFOAを含まないC6タイプや非フッ素といった環境低負荷な撥水剤は撥水性能とその耐久性が低く、本格的なアウトドアやスポーツシーンなどでの使用が難しいという課題があった。

 同社は、昨年に「2050年に向け東レグループが目指す世界」、その実現に向けた「東レグループの取り組み」、「2030年度に向けた数値目標(KPI)」を盛り込んだ、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を策定した。

 革新技術・先端材料の提供によって、世界が直面する「発展」と「サステナビリティ」の両立をめぐるさまざまな難題に対し、本質的なソリューションを提供していく考えだ。