ソルベイ 高機能ポリアミドが単回使用手術器具に採用

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2019年4月11日

 ベルギーの先端材料・特殊化学会社のソルベイはこのほど、ポルトガルの手術用器具メーカーのバストス・ヴィーガスが、ステンレスの代わりに、ソルベイの「イグゼフ・ポリアリールアミド(PARA)」を、「ジリオン・ブラック」単回使用手術器具に採用したと発表した。

 高機能ポリアミドの「イグゼフPARA」は、優れた強度と剛性に加え、美しい表面外観を持ち、高エネルギーガンマ線照射後も、外観や物理特性の変化がほとんどない。

 ISO10993に規定された生体適合性試験の結果、「イグゼフPARA」樹脂は、細胞毒性・感作性・皮内反応性・急性全身毒性が一切ないことが立証されており、同社は体液や組織との接触が限定的な、24時間未満の医療用途向けにこの製品を提供している。

 「ジリオン・ブラック」単回使用手術器具セット(SUI)は、剛性の高い医療用グレードの「イグゼフPARA」樹脂から成形され、キュレットや多様な鉗子、ニードルホルダー、皮膚ステープルリムーバーなどで構成されている。

 欧州製の「ジリオン・ブラック」SUIは、医療機器品質マネジメントシステム規格に登録された品質システムの下、厳密なクリーンルーム条件下で製造。酸化エチレンガスを使用して自社で滅菌され、EUの医療機器に関するクラスⅡaのCEマーク認証を取得している。

王子ホールディングスなど 化粧品原料向けのCNFを開発

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2019年4月11日

 王子ホールディングスと日光ケミカルズはこのほど、化粧品原料向けセルロースナノファイバー(CNF)を、「アウロ・ヴィスコCS」として製品化したと発表した。2015年からの共同開発を進めていた。

 同製品は、昨年オランダのアムステルダムで開催された世界最大級の化粧品原料展「イン・コスメティックス・グローバル2018」において、〝Innovation Zone Best Ingredient Awards〟の〝Functional Ingredients(機能性成分)〟部門で、シルバー賞を受賞。

 化粧品業界の専門家から、これまでにない機能を持つ増粘・分散剤として高い評価を受け、世界中の需要家から製品化が待望されていた。

 同製品は、同じ天然素材由来の増粘剤であるカルボキシメチルセルロースなどに比べて100倍以上の非常に高い粘度でありながら、大きなチキソ性(力を加えることにより粘度が下がり、静止すると粘度が上がる性質)を示し、べたつかず瑞々しい感触も合わせ持っている。

 また、粒子分散安定性にも優れるなど、化粧品への幅広い応用が期待できる。さらに、原料の木質繊維が森林から供給される持続可能、および再生可能な資源であることも特徴となっている。

 

ランクセス 腐食防止添加剤を能増、世界で15%増加

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2019年4月10日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、腐食防止添加剤「アディティンRC4000」シリーズのグローバル製造能力を15%増強した。ボトルネック解消プロジェクトとして実施した。

 この能増は、一昨年のケムチュラ社の買収後、プロセスにおける相乗効果の創出に取り組んだ成果であり、潤滑油添加剤のポートフォリオとグローバル製造ネットワークを拡大することができた、とランクセスは評価している。

 同社の「アディティン」腐食防止(CI)製品群には、カルシウムスルホネートやカルボン酸塩、コハク酸、リン酸系特殊製品などがある。これらの製品は極性金属面に吸着されることで撥水膜と保護膜を形成し、腐食を防止する。主な用途は駆動系潤滑油や工業用潤滑油、金属加工油、防蝕油、グリースなど。

 同社によると、世界の腐食防止用添加剤市場は拡大しているという。このため、同社では特殊添加剤製品を顧客に安定供給する一方、新たに要求される性能と、厳格化される規制に対応する製品の開発に取り組んでいる。

クラレ 次世代ガラス中間膜、従来品に比べ加工性向上

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2019年4月10日

 クラレはこのほど、次世代型の合わせガラス用アイオノマー樹脂製中間膜「セントリグラスXtra」の販売を開始したと発表した。 従来の「セントリグラス」の性能を維持しつつ、加工性を向上させた。

 「セントリグラス」は一般的な合わせガラス用中間膜に比べ、100倍の硬度と5倍の強度を誇り、優れた透明度を併せ持つ。世界各地の高層ビルなどをはじめ、著名な建築物、構造物への採用が進んでいる。

 一方で、従来の「セントリグラス」は、ガラスを加工する顧客から加工性の向上を求められていた。新製品はガラスへの接着に際し、接着前に塗る下地処理剤であるプライマーを必要としないため、従来品より積層ガラスの多層加工が容易となる。

 また、加工過程における不適切なタイミングでの冷却による、大気中に乾いた微粒子が浮遊することで発生する、霧に覆われたような空気の濁りや視界不良であるヘイズ(空気の濁りや視界不良)発生を低減。ガラスと中間膜の接着加工で、オートクレーブ内に入れるガラスの枚数を増やすことができる。

 さらに、従来品同様、透明性や破片などの飛び散りにくさ、オープンエッジ性能、耐剥離性を持つほか、より大きなガラスサイズ、困難な設計要件による再試験の必要性の低減などを実現した。

 シートタイプは2月に発売しており、ロールタイプを今年後半に発売する予定だ。

BASF 農業向け製品のパイプラインを拡充

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2019年4月10日

 ドイツの大手化学メーカーBASFは、農業向けソリューションの製品パイプラインを大幅に拡充している。パイプラインには化学的・生物学的農薬製品、種子・形質、デジタルソリューションが含まれ、これにより、革新的で持続可能な農業での主導的地位を強化する。

 最新のイノベーションパイプラインにより、農業をめぐる課題に対する新しい技術とソリューションを、全ての主要な作物と地域で生産者に提供する。

 同社のイノベーション力の一例として挙げられるのが、大豆生産のための研究開発だ。大豆は世界の食料と飼料の供給に極めて重要な役割を果たしている。同社は大豆農家が高収量と高品質を実現するための革新的なソリューションを開発した。

 新しい大豆種子では、生産者はグルホシネート・アンモニウムを用いた非選択性除草剤「リバティー」、除草剤の有効成分グリホサート、発芽後の雑草防除のための新規作用機構の除草剤(規制当局の承認待ち)を使用することができる。この革新的な大豆技術は、「クレデンス」ブランドと、ライセンスブランドの下で生産者に提供される予定で、発売は2020年を見込んでいる。

 一方、耐性菌管理は全ての生産者が直面している大きな課題の1つ。同社は穀物・大豆・とうもろこし・果物・野菜を含む多くの重要な作物の耐性菌管理に不可欠なツールとなる、最新の殺菌剤「レヴィソル」を全地域の生産者に提供する。

 「レヴィソル」は市場に導入される最初のイソプロパノール‐アゾールの殺菌剤。イソプロパノール基を持つことで、他のアゾール類よりも100倍強く標的病原体の酵素に結合する。

 これは「従来のアゾールが直面する抵抗性の問題に影響されないこと、哺乳類の催奇形性(生殖毒性)と環境毒性が低いことを示しており、使用者と環境にとって、より安全であることを意味している」(BASFジャパン)という。

 欧州の全耕作地の50%以上を占める、最も重要な畑作物である穀物向けの製品登録をEUに申請し、承認された。今後、アブラナやトウモロコシ、果物、ブドウ、野菜など、他の重要な作物での製品登録も行う。

 穀物向けの「レヴィソル」をベースとした製品は、各国の認可を経て、来シーズンに向け年内に発売される予定だ。これらは2028年までに世界で上市する30以上の製品を代表するもので、継続的な研究活動をベースにしたユニークなイノベーションパイプラインから生じた。

 同社は今後も農業分野の研究開発費を、過去最高水準に維持することを目指している。

ソルベイ 液体防食コーティングシステムを開発

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2019年4月9日

 ベルギーの先端材料・特殊化学会社のソルベイは、「ヘイラー」ECTFE(エチレン‐クロロトリフルオロエチレン共重合体)の新しい防食コーティングシステムを開発した。このコーティングシステムは、高接着性のプライマーとトップコートから成り、標準的な液体噴霧器を使って簡単に塗布することができる。

 同社の「ヘイラー」ECTFE粉体コーティングは、酸製品や鉱業、紙・パルプ、医薬品、飲食品、半導体など、幅広い業界で設備機器の防食用として40年以上使われてきた。

 新たに導入される水性の「ヘイラー」ECTFE液体コーティング技術は、最終用途の幅を、粉体塗装では不可能あるいは困難だった領域まで拡大する。例えば複雑な形状や不整表面、大型導管、管内部、タンク、コンテナなどの塗装に利用できる。さらに、耐食性合金の保護コーティング用での新しい選択肢にもなる。

 この技術は、優れた耐薬品性と耐透過性、高純度で抜群の表面特性、高い接着性など、「ヘイラー」ECTFE樹脂に共通する特性を備えており、その機能は長期間持続する。プライマーを塗布しなくても利用でき、さまざまな厚さで迅速・簡単、均等に塗布して多様な使用条件に対応できる。

 スプレイコーティングやディップコーティングなど、ほぼすべての塗布装置に適応し、金属やガラス、れんが、ポリマー、木材など、幅広い基質に塗布可能だ。耐薬品性に優れる疎水性で、強力な酸や塩基(pH1~14)に対して耐性を発揮し、現在知られている150℃以下のいかなる溶剤にも影響されることがない。

 同社では「水性仕上げを採用しているため、生産ラインや噴霧器の作業環境が大幅に改善され、設備洗浄にも安価な水性洗浄剤が使えるため、コスト削減につながる」としている。

東レ 世界最高レベルの柔軟性をもつPPSを開発

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2019年4月3日

 東レはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂のもつ高い耐熱性や耐薬品性を維持しながら、世界最高レベルの柔軟性をもつ新規PPS樹脂の開発に成功した。

 今月から自動車用途を中心に本格提案を開始するとともに、幅広い工業材料分野で用途展開を進める。先月28日に開催した技術説明会で、本田史郎・化成品研究所長らが技術概要を説明した。

 PPS樹脂は年率7%で拡大しているスーパーエンジニアリングプラスチック。主に金属代替として、耐熱性や軽量・高強度が求められる自動車用途で広く使われている。パッキンや自動車配管など柔軟性が求められる用途では、エラストマーを配合したPPSが使われているものの、特性を維持しつつ柔軟性を付与することには限界があった。

 PPSの弾性率は3500~600MPa。従来技術でもPPSにある程度のエラストマーを配合することで、弾性率を1700MPa程度に低下させることができる。しかし、狙いとする柔軟性には十分ではなく、さらにエラストマーの量を増やすと、PPSの特性が損なわれてしまう。

 そこで、同社は長年の研究・開発で蓄積した技術データベースを基に設計した、革新的なマテリアルデザインと、独自のナノテクノロジーである「ナノアロイ」がベースの

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大陽日酸 導電性フッ素樹脂のコーティング材を開発

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2019年4月1日

 大陽日酸はこのほど、ステンレスタンクなどの基材表面に導電性のあるフッ素樹脂コーティング膜を形成する、導電性フッ素樹脂コーティング材を開発した。

 樹脂にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶媒には水を使用、コーティング膜の表面抵抗率は100~1万オーム毎スクウェア。同社の山梨研究所ではサンプル試作体制を整えており、今後は顧客への訴求とサンプル提供を進め、本格的な商品化を目指す。

 同社は、高い導電性を備えた長尺カーボンナノチューブ(CNT)の製造を行っており、極少量のCNTをフッ素樹脂粉末に均一に複合化することでフッ素樹脂に導電性を付与する、高機能フッ素樹脂の製造技術をもつ。今回、フッ素樹脂ディスパージョンにCNTを極少量複合化した、導電性フッ素樹脂コーティング材の開発に成功した。

 半導体分野や化学分野では、酸塩基液体や有機溶剤のような腐食性が高い液体が使用されるため、液体が接触するタンクや金属配管・バルブなどの流路にフッ素樹脂コーティング膜を施している。 

 従来のフッ素樹脂コーティング膜は、耐薬品性と耐熱性に優れるものの、その絶縁性のために生じる課題を抱えていた。絶縁体のコーティング膜を施した配管などに液体が流れると静電気を帯び、放電によるコーティング膜の破壊で、液体に基材の金属成分が混入するなどの問題が発生するもの。そのため、静電気の発生が抑えられる導電性があるフッ素樹脂コーティング膜が望まれていた。

 開発品を基材にコーティングすると、帯電防止レベル(100~1万オーム毎スクウェア)の導電性をもったコーティング膜が形成される。同コーティング膜は厚み方向にも導電性があるため、膜の表面と基材外表面で導通をとることも可能。

 さらに、極微量のCNTを複合化させているため、カーボンの脱落リスクも極めて低い。半導体分野や化学分野で使用されている装置、タンク・テーブル・バルブといった設備、配管や継手など部品への利用が期待されている。

カネカ フレキシブルディスプレイ用の透明フィルムを開発

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2019年3月29日

 カネカは28日、フレキシブル有機ELディスプレイのカバーウインドウ用材料「透明ポリイミドフィルム」を開発し、今年度上期よりサンプル出荷を開始すると発表した。

 有機ELディスプレイ用途としては、TFT基板向けポリイミドワニスに次ぐ大型商品として市場開拓を進め、2025年に売上高100億円以上を目指す。次世代の高速通信規格(5G)によって大容量動画配信が進み、広げて大画面で動画が楽しめるフレキシブル有機ELディスプレイの市場は、急速に拡大することが予想されている。

 同社は長年にわたって培ったポリイミドの分子設計技術と光学フィルム製膜技術という2つの自社開発技術を融合し、繰り返し折り曲げが可能な高い屈曲性に加え、カバーフィルムに求められる透明性、表面硬度、ガラスに近い外観(表面平滑性)などの特性をバランスよく有する透明ポリイミドフィルムを開発した。

 今後も同社は、ディスプレイのフレキシブル化、高速通信化などに貢献するポリイミド各種製品の開発に注力し、IoT/AI時代の実現に向けたソリューションを提供して行く考えだ。

 

ユニチカ バイオプラのストロー向け樹脂グレードを開発

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2019年3月27日

 ユニチカはこのほど、バイオマスプラスチック「テラマック」の新規銘柄であるストロー向け樹脂グレード「TP‐5040」を開発したと発表した。今後は市場へ投入するとともに、国内外に向けた積極的な販売体制を整えることにより、新規顧客開拓を進めていく。

 昨今は海洋汚染問題がクローズアップされており、国内外の大手飲食チェーンを中心にプラスチック製ストローの廃止、もしくは紙製ストローへの置き換えの動きが加速している。こうした中、プラスチック製ストローの置き換えを進める場合は、材料自体が生分解性を有することが必須条件と考えられる。

 植物由来のポリ乳酸を原料とした「テラマック」は、微生物や酵素の働きによって最終的には水と二酸化炭素に分解する。ただ「硬い・脆い」といった性質があり、ストローとしては、製造時のカッティングや使用時の折り曲げなどにより、ひび割れや破損を生じやすく、そのままでは実用化には適していなかった。

 この問題点を解決するため、新グレードでは柔軟成分のポリマーおよび無機フィラーなどを適量付与。これにより一定の柔軟性と剛性、加工性を併せもつ最適な樹脂となった。また、紙製ストローは耐久性や強度に問題点があるが、新グレードは従来のプラスチック製ストローと同様の使用感を得ることができるのも大きな特長。

 なお、ストロー向け樹脂グレードは日本バイオプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラマークを取得申請中。また、ポリオレフィン等衛生協議会の確認証明書を取得している。

 今後は、プラスチック製ストローの代替用途として販促活動を進めるとともに、ストロー以外の用途への転用も図り、3年後には年間売上高5億円を目指していく考えだ。