大日本印刷(DNP)は6日、食料自給率の向上や安定供給、食の安全性向上などを背景として、今後の伸びが期待される人工光を利用した植物工場向けLED照明「DNPフレキシブルLEDシート」の量産を開始し、本格的な販売を開始すると発表した。
近年、従来の露地栽培による農作物の生産は、天候や病気、害虫の被害などによる影響を受けやすく、植物工場を利用した安定供給に注目が集まっている。また、食の安全意識の高まりも、無農薬・低農薬で栽培が可能な植物工場の需要増につながっている。
同社は、印刷技術を発展させたフィルム加工技術と微細加工技術を活用して、高い反射性から光を有効活用して農作物の光合成を促進するとともに、防汚性にも優れた「DNP反射フィルム リフレモ」を提供。今回、植物工場向けに、薄くて軽く、栽培装置の天面や側面などに設置可能なシートタイプの面発光LED照明「DNPフレキシブルLEDシート」の本格展開を開始する。高い反射性を持つDNPの反射フィルムと組み合わせて利用することで、農作物の育成向上が図れる。
植物工場向け栽培装置メーカーや植物工場の運営企業などに、同シートと反射フィルムを販売し、2021年までに年間25億円の売上を見込んでいる。今後も同社は、植物工場の生産性向上につながる製品、技術の開発に取り組み、「食」の安定供給、安心・安全に貢献していく考え。
なお、幕張メッセで開催されている「第9回高機能フィルム展」(5~7日)の同社ブースで同製品を紹介している。