積水化成品工業は19日、欧州6カ国に製造拠点などを展開する自動車部材メーカーのプロシートグループ(8社)の株式を取得することで合意したと発表した。
プロシートグループの発行済株式などを、積水化成品の子会社セキスイ・プラスチックス・ヨーロッパが、レクティセル社などから取得することにより、積水化成品が実質的にプロシートグループの75%を保有することを取締役会で決議し、株式売買契約などでレクティセル社と合意したもの。
プロシートグループは、欧州6カ国(ドイツ・フランス・英国・スペイン・チェコ・ポーランド)に製造拠点を持ち、自動車部材(シート用クッション材やヘッドレスト、アームレストなどのトリムパーツ、発泡成形品)を欧州自動車メーカーに供給する、自動車メーカー系列に属さない独立系のリーディングカンパニー。
今回、同グループを傘下に収めることで、積水化成品の主力製品「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)など、自動車部材の欧州での拡販スピード加速と、同グループ取り扱い自動車部材全般の積水化成品のチャネルを活用した日系自動車メーカーへの展開を推進していく。
積水化成品は、2016年度からの3カ年中期経営計画「Make Innovations 60」の中で、工業分野の売上比率アップとグローバル拡販のスピードアップに取り組んでおり、自動車分野、家電IT分野での事業拡大を続けている。
特に、自動車部材に関しては、同社の主力製品の1つである「ピオセラン」が、シート芯材や下肢部衝撃吸収材などとして日本・米州の日系自動車メーカー各社向けを中心に順調に採用実績を拡大しており、さらなる拡大を目指し欧州自動車メーカーへの展開を図っていた。
自動車業界は、自動運転やNEV(新エネルギー車)化など大きな変革期を迎えており、その部材に関しては、軽量化や断熱性付与など環境への負荷低減に貢献する素材へのニーズがますます高まっている。
今回の買収により、積水化成品とプロシートグループの異なる技術の融合と、グローバルな自動車メーカー各社との強固な連携を目指す。現行の自動車部材にとどまらず、電気自動車などのNEV向け軽量構造部材について、社会のニーズに的確にマッチする提案力・開発力・提供力をいっそう強化していく考えだ。