ダイセルは15日、米グループ企業であるChiralChiral (CTI社:ペンシルベニア州)が、米国のゲノミクス企業・Arbor Biosciences社(ミシガン州)を1月7日付で買収したと発表した。
Arbor Biosciences社は、合成DNAなどの核酸製品の販売や、核酸配列データなどの解析サービスを行う。近年注目を集めているゲノム編集や次世代シークエンス解析など、ゲノミクス研究に必要な知識と技術を網羅的に保有し、多くの顧客に製品やサービスを提供している。特にバイオ技術をベースとした農林水産関連市場であるアグリバイオ市場やその研究市場では、確固たる地位を築いている。
ダイセルのCPIカンパニーは、医薬品などの研究開発と生産のためのキラル分離事業をグローバルに展開。2017年度から3カ年の中期経営計画「3D‐Ⅲ」では、昨今のライフサイエンス領域の環境変化に伴い、キラル事業のリーディングポジションの維持に加え、新規領域でのソリューション提供の拡大を掲げている。CTI社はこの戦略の中で、ゲノミクス分野の事業拡大を担っている。
ダイセルは、今回の買収により、今後大きく成長が見込まれるゲノミクス分野での事業プラットフォームを獲得し、食品や環境、健康医療分野でも、より幅広いソリューションの提供を目指す考えだ。