クレハの4-12月期 機能製品が牽引し増収増益

2019年2月8日

 クレハが7日に発表した2019年3月期第3四半期の連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比1%増の1108億円、営業利益は同11%増の139億円、税引前四半期利益は同13%増の142億円、親会社四半期利益は同17%増の111億となった。

 売上収益は、建設関連は減収となったが、機能製品を中心に増収。営業利益は機能製品の増益が機能製品以外のセグメントの減益をカバーして増益。税引前四半期利益は営業利益の増加と金融収支の改善により増益となった。

 機能製品事業の売上収益は同11%増の343億円、営業利益は同84%増の36億円。機能樹脂分野は増収増益。フッ化ビニリデン樹脂とPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の売上が増加した。炭素製品分野も増収増益。

 化学製品事業の売上収益は同4%増の204億円、営業利益は同13%減の27億円。医薬・農薬分野は医薬品の薬価改定の影響などにより減益。工業薬品分野はコストの上昇により、営業利益は前年同期並みとなった。

 樹脂製品事業の売上収益は同1%増の353億円、営業利益は同1%減の59億円。コンシューマー・グッズ分野は経費の増加で減益。業務用食品包装材分野は、欧州の製造会社での原価改善により増益となった。

 通期の連結業績予想については、売上収益は変わらないものの、付加価値の高い製品の売上収益の増加に加え、販売費・一般管理費の減少などにより、営業利益が前回予想を上回る見通しとなった。これに伴い各利益項目を上方修正した。

 売上収益は前期比2%増の1500億円、営業利益は同20%増の155億円、税引前利益は同22%増の155億円、親会社当期利益は同24%増の120億円を見込んでいる。